藤子不二雄Ⓐさんお別れの会 永井豪「デビルマン」は「シルバー・クロス」から影響

山本 鋼平 山本 鋼平
中川翔子とともに藤子不二雄Ⓐさんの思い出を語る永井豪さん(右)=都内
中川翔子とともに藤子不二雄Ⓐさんの思い出を語る永井豪さん(右)=都内

 「忍者ハットリくん」「怪物くん」などで知られ、今年4月に88歳で死去した日本を代表する漫画家・藤子不二雄Ⓐ(ふじこ・ふじお・えー、本名安孫子素雄=あびこ・もとお)さんの「お別れの会」が31日、東京・港区のオークラ東京で行われ、親交の深かった著名人が故人との思い出を語った。漫画家の永井豪さんは「あんないい先輩いない」と偲んだ。

 永井さんは漫画家仲間のゴルフ会「イージー会」で行動をともにするようになり、親交を深めた。「先生の人を楽しませる生き方に感銘を受けました。あんないい先輩はいない。もうお会いできないのがつらいです。ゴルフでヘトヘトになって帰ろうとすると、先生が突然僕の車に乗り込んできて『さあ銀座に行くぞ』と。銀座ではしごをするのですが、足がハンパじゃなく速くて、ついていくのが大変でした。僕が『帰りましょうよ』と言うと、朝まで飲まないと、人生は短いんだから損だよ、と話していました。ゴルフに行って、銀座に行って、朝まで飲んで、次の日は着替えてゴルフに行って、と、どこまでタフなんだと驚きました」と思い出を語った。

 子どもの頃は「忍者ハットリくん」などを愛読し、特に「シルバー・クロス」が自身の作品に与えた影響を語った。「『シルバー・クロス』は当時としては珍しく、敵が全員マスクマンで、その怪人が追い詰められ、正体を白状しろと迫られた時に『自分の正体はこの仮面だ。この悪の仮面が本当の顔だ』と叫んで掛けから飛び降りるシーンがありました」と回想し、「子供心に本当の顔って何だろうと思いました。表面的な顔よりも、心の顔が人の真実を語るのではと考えました。それは『デビルマン』などにつながった思います」と続けた。

 「お別れの会」にはちばてつや、高橋留美子、王貞治、武田鉄矢、伊東四朗、荒木飛呂彦ら199人が参加。同日午後6時から8時までは一般読者の来場も受け付けられ、合計1125人が訪れた。トキワ荘の部屋、「笑ゥせぇるすまん」に登場する喪黒福造とBAR魔の巣の再現セットなど、企画展示も同所で行われる。

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