米ロックバンド・ニルヴァーナの1990年のアルバム「ネヴァーマインド」のジャケットに関する訴訟が再び却下された。原告のスペンサー・エルデン氏は撮影時生後4か月、裸でプールに入り、目の前の釣り糸にぶら下がる1ドル札に向かって泳ぐ自身の写真が児童ポルノにあたるとして同バンドのデイヴ・グロール、クリス・ノヴォセリック、故カート・コバーンの未亡人コートニー・ラヴ、カメラマンのカーク・ウェブルらに損害賠償を求めていた。
しかし、米カリフォルニア州ロサンゼルスの連邦裁判所のフェルナンド・オルギン判事は2日、エルデン氏の訴えは10年の時効を大幅に過ぎているとして却下した。レコードレーベルのゲフィンとユニバーサル・ミュージックも被告として挙げられていたこの訴訟は2021年8月から続いており、今回のエルデン氏の訴えは3度目、この却下によってエルデン氏は再提訴の選択が不可能となった。
この写真によって永続的な精神の不調が出たというエルデン氏の訴えに関して、同バンドの弁護士らは今年初め「認める要因が見当たらない」と主張、児童ポルノだとする意見についても「真面目に取り扱うべきではなく、彼の論理で言うなら同作を所有する人々全員が児童ポルノ所有で有罪になる」と反論していた。
更に弁護士らは「彼はあの写真を再現し、何度もお金を貰っていました。あのアルバムのタイトルを自分の胸にタトゥーとして入れ、トーク番組ではヌードカラーのつなぎを着てその姿を真似て登場していました。そのアルバムカバーにサインを入れeBayで販売、女性をひっかける際の話題としても使っていたのです」と主張していた。