R&B歌手のR.ケリー(55)が過去に15歳の少女と性的関係にあったことがシカゴの裁判所で明かされた。別名を「ジェーン」という被害者女性(38)は15歳の時に当時30代だったケリーと性交渉を持ち、18歳になるまでその関係を続けたことを証言した。
更にジェーンは13歳だった時に、ゴッドファーザーになってもらうようケリーに頼んでいたことも明らかにしている。またその依頼の数週間後に、ケリーから電話で卑猥な内容を囁かれたそうで、14歳の時にケリーのレコーディングセッションの場で胸など身体を初めて触られたと告白。初めての性交渉は15歳の時で、シカゴのノースサイドにあるケリーの家で行われたという。
裁判中、ベッドで「彼が何をすべきかを私に言ってきました」と明かしたジェーン、更に18歳までにどれぐらい関係を持ったのかと検察側から聞かれ、「数えきれません。何百回とです」と答えていた。また今回の裁判では、ケリー自ら撮影したとされるジェーンとの模様を撮影したビデオも引証されていた。
更にジェーンは自身の家庭環境も説明、シカゴ郊外の音楽一家で育ち、幼い頃はホームスクーリングを受け、12歳の時から音楽グループでツアーを回る日々だったという。
すでにゆすり行為と性的人身売買の罪で、ニューヨークの連邦裁判所から禁錮30年の判決を受けているケリー。現在は児童ポルノ、未成年者へのセックスに関する誘惑、司法妨害など13の罪に問われている。最も重いとされる司法妨害は、今回のジェーンとのビデオも証拠に挙げられた州の児童虐待に関する2008年の裁判の妨害疑惑となっている。
検察側はケリーがジェーンに対して証言をしないよう、賄賂と脅迫を行ったとみており、実際ジェーンが証言を行わなかったことで、ケリーが無罪になった過去があるとされる。今回の裁判では一転してジェーンは検察側に協力する構えだ。
一方、全ての訴えを否定しているケリー。ここ数年は性的虐待者として非難され続けており、#MeToo運動で取り上げられ、2019年にはドキュメンタリーシリーズ『サバイビング・R・ケリー』も公開されていた。
17日の裁判でケリーの弁護士ジェニファー・ボンジーン氏は、クライアントをモンスターと見なさないよう要請。一方、連邦検事補のジェイソン・ジュリアン氏はケリーには暗く隠された側面があると話していた。