つげ義春の実弟で同じく漫画家、つげ忠男がこのほど、シンガーソングライターのYO―EN(ヨーエン)のミュージックビデオにイラストを提供し、動画がユーチューブで公開された。
両者のコラボは昨年に続き2作目。今回はジョルジュ・ムスタキによるシャンソンの定番曲「私の孤独」の新訳・新解釈にイラストを提供した。YO-ENが訳詞、歌唱、映像製作を担当。つげ忠男は「デモ音源を聴いたときの第一印象と直感で一気呵成に描きました」と語り、YO-ENは「制作を通して“孤独”というのは人が生きるうえで避けられない意味のある必要なものだと教えられました。そして“私の孤独”は私の心の影を照らしてくれるかけがえのない歌になりました」と話した。
つげ忠男は1941年、東京出身。中学卒業後、血液を売買する「血液銀行」で働きながら兄のつげ義春の影響でマンガを描き始め、1954年に貸本漫画でデビュー、1968年の「ガロ」以降は、「夜行」「アックス」等で精力的に作品を発表する。「無頼平野」は石井輝男監督で、「成り行き」「夜桜修羅」は瀬々敬久監督でそれぞれ映画化された。最新作「昭和まぼろし忘れがたきヤツたち」(MeDu COMICS)は第24回文化庁メディア芸術祭マンガ部門で審査委員会推薦作品に選出された。