米航空宇宙局(NASA)は9日、未確認飛行物体(UFO)に関する調査を行う科学者の研究チームを設置すると発表した。UFOについては、米議会でも関心を強めており、ついに世界で最も進んでいるとされる政府専門機関でも、“本腰”を入れていくことになりそうだ。
利用できるデータ、最適なデータ収集方法、科学的な理解の促進に向けた情報の利用法の特定に焦点を当てるという。チームはプリンストン大学の天体物理学部門の元責任者、デービッド・スパーゲル氏が率いる。チームは、今秋までに設置される。約9カ月で研究結果に関する公開報告書を作成する。予算は「数万ドルから10万ドル以下」になるという。
米下院情報特別委員会の小委員会は5月にUFOに関する公聴会を約50年ぶりに開催した。国防総省高官は、現象の解明に尽力しているが、その多くがなお説明できないなどと話した。
米当局は「UFO現象」を国家安全保障の問題と位置付けており、NASAもこれに同調した形。現象が「国家安全保障と航空安全の両方にとっての関心対象だ。どれが自然現象によるものかを解明することは、そうした現象を特定または軽減するための重要な第一歩で、航空機の安全を確保するというNASAの目標の一つと一致する」と述べた。