牛乳パックを愛しすぎて獣医から転身 財布、カードケース製作販売「好きすぎて持ち歩きたい」

山本 鋼平 山本 鋼平
牛乳パックで製作した折りたたみ財布のコイン入れ
牛乳パックで製作した折りたたみ財布のコイン入れ

 牛乳パックを愛しすぎて獣医から転身した男がいる。足立直紀さん(31)は今年からフリーランスになり、牛乳パックを持ち歩く「GNPKcrft」活動を本格化。主に地方で流通する牛乳パックを用いて、折りたたみ財布、カードケース、メガネやペンを収めるマルチケースなどを製作し、ネットやイベント出展を通して販売している。さらにワークショップ開催、牛乳の消費拡大や資源の有効活用、地域の活性化など、様々な挑戦を見据えている。

 牛好きが高じて鳥取大獣医学部に入学。2018年に卒業、獣医として就職が決まり、上京した。程なく大学時代に愛飲していた白バラ牛乳をスーパーで偶然見かけ、懐かしさとともに、牛乳パックに魅せられた。「牛乳は鮮度が大切なので流通範囲が限られたものが多い。特に地方では歴史が古い小さな会社が、給食などを通して、地域で深く愛されていることに魅力を感じます」。足立さんの特色は「大好きな牛乳パックを持ち歩きたい」という欲が強く、牛乳パックで財布などを製作する技術を独学で身につけたことだろう。2020年には伊豆諸島の神津島村に赴任。人口1800人程度の小さな島で、ゲストハウスを訪れる人々と交流する機会があり「様々な人がいて、人の数だけ生き方があるんだな」と心が揺れ動いた。神津島からの異動辞令を機に、新たな挑戦を決意した。

 牛乳パックはスーパー、デパート、通販、フリマアプリを活用して収集。全国各地から約300種類を保有する。

 4月末に開催されたニコニコ超会議では、「マニアフェスタ」にブース出展を果たし、多くの来場者と交流して手応えは上々。現在、地域に根ざした乳業会社とタッグを組み、小物を制作、販売する企画が進行している。「旅行先で、その地域の牛乳パックのデザインに魅力を感じ、写真に収める方は意外と多いのではないかと思います。パックのままでは資源ゴミですが、何か活用できる形にすれば旅の思い出として持ち帰ることができます。会社などで使うと注目されること間違いなしでしょうね。ゆくゆくは飲食店などから牛乳パックを買い取れる形にして、地域に貢献できるようになりたいです」と夢を膨らましていた。

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