吾妻ひでおやいがらしみきお、吉田戦車といった名だたる漫画家たちが世に広めたと言われる不条理ギャグ漫画。現在もそのジャンルは途絶えることなく、さまざまな作品が発表されるなかで、徹底したオフビートさと中毒的な笑いで人気を集めているのが、すがぬまたつやさん(@sugaaanuma)が描く作品だ。
自称プロエゴサーチャーというちょっと怪しげな肩書を名乗るすがぬまさんは、副業として作品を描いているという謎多き漫画家。今回、作者本人のインタビューは叶わなかったが、その魅力が詰まった不条理4コマ作品をご紹介する。
「イジメ」の概念を笑い飛ばす怪作『孤独のイジメ』
笑いの題材に適切とは言えない「イジメ」というテーマですら、すがぬまさんの手に掛かれば、カラッと突き抜ける笑いとして昇華されてしまう。イジメが原因で転校してきた主人公は、またしてもイジメの標的にされるのだが、その仕掛けや受け身のとり方に思わず笑ってしまう怪作だ。
名作品推理小説を笑いに転化させた『脳筋ワトソン』
タイトルからもわかる通り、『シャーロック・ホームズ』を下敷きに、よくある推理モノのルールをことごとく打ち壊したシリーズ。他の作品と比べたとき、ほんのりハードボイルド寄りの絵柄にしているところに気付くと、より笑いが増幅してしまう。
笑いの濃度が凝縮された『瞬間4コマ』
創作に時間を掛けたからといって面白くなるわけではない。もしくは、これだけしか時間を掛けられなかったから面白くなくても責任はとれない。そんな、すがぬまさんらしい独特な考え方が反映されたシリーズが「瞬間4コマ」だ。創作時間が掲載された作品は、時間を掛ければ面白いのか? それとも……?
不条理作品の王道とも言える、物語のルール破りを存分に散りばめた、すがぬまさんの作品。今回取り上げた4コマだけではなく、『ジャンプ+』では「時を最低限かける六田氏」(https://onl.bz/qW2smsa)というストーリーギャグ作品でも徹底した笑いを追求している。今後は、どのような作品で笑い転げさせてくれるのか。期待したい。
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