初のエッセイ本を発売したナジャ・グランディーバが血を見ながら女装をしている人生とは!?

仲谷 暢之 仲谷 暢之

関西を中心にテレビやラジオで活躍する、 関西イチおばちゃんに愛されるドラァグクイーン、ナジャ・ グランディーバが3月24日、初のエッセイ本「毎日ザレゴト 人と比べて生きるには人生は短すぎるのよ」(大和書房)を発売した。

今回の出版について、 そしてドラァグクイーンとしての活動について本人に話を聞いた。

――「毎日ザレゴト」というタイトルはどこから?

ナジャ・グランディーバ(以下・ナジャ):もうテレビやラジオでも言わせてもらってるんですけど、 私のことを色々聞いていただいてそれを文章にしていただいたんですね。でも、ぶっちゃけ関東のライターさんだったので、 書かれてることが、それこそ“でんがな、まんがな” みたいなおかしなコテコテの関西弁。これはアカンわってことで結局ゲラがどのページも真っ赤っかになるくらい書き直して出来上がりました。

それでタイトルもいくつか案があったみたいなんですけど、その一つで推されたのが「毎日ザレゴト」。取材されて、文章のやりとりして私という人間を理解した上で考えられたタイトルやと思ったんで、これでいいですよということで決まりました。

――実際出来上がってみていかがですか?

ナジャ:私という人間がいかにダラダラして生きてるかっていうのが書かれてるなって思いました。自分で言うのもなんですけど、内容をギュッとしたら20ページくらいで終わるようなエピソード で(笑)。それを本という形にしないとアカンからちょっと伸ばして肉付けしていったって感じ(笑)。そんな期待せんといてってねっていう。文章にも書いてますけど私自身、6割な感情で生きてるので、 同じく6割の感じで読んでいただけたらと思ってます。

私自身、普段からそんなに怒るわけでもなく感情に引きずられ過ぎるわけでもなく、いいことか悪いことかわかりませんけど、だいたいフラットな位置を維持してる、ずーっと低空飛行な感じ。それは生まれ持った性格なんかもしれへんし、もしくは周りにいる、いちいちキーッとなるゲイの友だちを見てきて反面教師的になってるのかもしれないけど(笑)。そういった視点で思ったこと、感じたことは色々書けてるかな。

――ドラァグクイーンとして、 メディアに出るようになって良かったこと、 悪かったことはありますか?

ナジャ:マツコ・デラックスは、 今やタレントですけど一応肩書きは“コラムニスト”やし、 ミッツ・マングローブは“女装家” って自分で造語を作って名乗ってますけど、私は“ ドラァグクイーン”で通しているので、そういう意味では、 昼や夕方の情報番組とか出てるおかげでオバ様たちの方が、実は“ ドラァグクイーン”って言葉が浸透してるかもで、それは良かったかも。

悪かったっていうのは、女装が好きでやってきたわけですけど、これが仕事になってしまって、好きな時に好きなようにできなくなったことですかね。昔は忙しくても女装してたのは週に1回やったけど、今はほぼ毎日。ヒゲもそれに合わせて剃ってたら良かったけど今は生え切らないうちから血が出るまで剃ってますから。で、その血を見て、毎回そこまでして女装したかったかなって思う時がありますもん(笑)。

とはいえ、10年ほど前やったら私らみたいなんは深夜枠にちょこっと出てるかくらいの、しかもキワモん扱いとして芸人さんの罰ゲームとかでキスする相手とかやったし。それが少しづつ時代が変わってきて、太陽の出てるうちからテレビやラジオに出してもらったり、ディナーショウをさせてもらったり、何よりもこうやって本を出させてもらうようになってきたんですから、ありがたく、これからも女装させてもらいたいと思います。

◇ ◇

ナジャさんの言う6割の人生観とはどんなものなのかがこの本を読めばしっかりわかる。 皆さんも緩い感じで読んでみてはいかがだろうか。

「毎日ザレゴト 人と比べて生きるには人生短すぎるのよ」
著者/ナジャ・グランディーバ
大和書房
定価:1650円(税込) 

◇ ◇

ナジャ・グランディーバ

兵庫県出身。大阪在住のドラァグクイーン。 毒舌を言わない「のんびりオネエ」として、関西を中心に活動中。 『ゴゴスマ』(CBC)、『よんチャンTV』(MBS)、『 バラいろダンディ』(TOKYO MX)、『ナジャ・グランディーバのチマタのハテナ』(eo 光)、『ウラのウラまで浦川です』(ABCラジオ)、『ナジャ・ グランディーバのレツゴーフライデー』(MBS ラジオ)などの番組にレギュラー出演しているほか、 多数のメディアで活躍している。

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