「江口寿史 RECORD展」発売2年ようやく開催 江口さんファンとの交流「僕も待ち遠しかった」

山本 鋼平 山本 鋼平
自身のイラスト展を訪れた江口寿史さん=都内
自身のイラスト展を訪れた江口寿史さん=都内

 「すすめ!!パイレーツ」や「ストップ!!ひばりくん!」で知られる漫画家でイラストレーターの江口寿史さん(65)が連日、東京・渋谷のBunkamura Galleryで画集『RECORD』の出版記念イベント「江口寿史 RECORD展」を開催中だ。  

 美女、美少女イラストが高く評価される江口さん。吉田拓郎や銀杏BOYZなどに提供したCDジャケット29点が収められた画集「RECORD」(河出書房新社)は2020年4月に発売されたが、一切の出版記念のサイン会やイベントはコロナ禍で延期せざるをえなかった。2年間の月日を経てようやく実現した東京でのイベントは、今月16日から同31日まで開催される。「ファンの方にはお待たせしましたが、僕もすごく待ち遠しかった。コロナの間は、自分の仕事をすぐに見せられないことが続いたものですから。会場に来られた皆さんが喜んでくれているのが一番うれしいですね」と顔をほころばせた。

 展覧会では1992年のBAHO「HAPPENINGS」から2020年のso nice「光速道路」までの画集収録作品に加え、SEKAI NO OWARI「umbrella」や、昨年自らキャラクターデザインを行ったアニメ「Sonny Boy」の主題歌を担った銀杏BOYZ「少年少女」、nicely nice「Time Of The Departure」など、出版後に発表された新作なども並ぶ。

 「この2年間でも新しい仕事は増えているわけです。自分にとって、発表したものは、もう途中経過でしかない。新しいものは次々に見せたい気持ちが強いのですが、コロナ禍ではその部分で鬱屈がたまっていました。作品を仕上げた時点でも満足感はありますが、僕らの仕事はそれを人に見せて、喜んでもらえて初めて完結するんですよ」

 数々のジャンルでイラストを手掛けてきたが、若かりし日にミュージシャンを志し、音楽好きでも知られるだけに、LPジャケットへの思い入れは強い。「ジャケットの四角、正方形という制約があるからこその楽しさがあります。制約の中でどの部分を空白にするのか、など他のイラストとは違うものがありますね。そして、僕が引き受けるのは気に入った音楽をつくるアーティストばかりなので、イラストが相乗効果になって好きな音楽が広がってくれれば本望です」。大フアンだというムーンライダーズのベスト盤を江口さんが選曲し、自らLPジャケットを手掛ける企画が待機中で、「ずっと遅れていて…。早くやりたいんですけどね。もう5年くらい経っているかな」と、苦笑まじりに話す。

 同展覧会は入場無料。会場ショップで3000円以上の購入者にサイン券を1枚を配布。6000 円以上で2枚配布し、サイン券で在廊中の江口さんにサインしてもらえる(サイン券は1日2枚が上限)。江口さんの在廊時間は、自らが自身のツイッターで連日発信中。また、同展覧会は6月2日から同13日まで、大阪・あべのハルカス近鉄でも開催される。

 1977年のデビューから今年で45年。「活動を絶やさず、描いたらすぐに発表できるようにしていきたい。それでもっと皆さんに喜んでほしいですね」と今後を見据えていた。

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