「三年前に入学式でドラクエの黒板アート描いて入学を祝った生徒たちが今日巣立っていきました。今回はこれ!新しい冒険に旅立て!#黒板アート #ポケモン
#卒業おめでとう!」
生徒の卒業を祝い、新たな門出を祈る黒板アートがSNS上で大きな注目を集めている。
この投稿は富山県の私立高等学校の美術の教諭であるポーションさん(@wistariavillage)によるものである。
黒板にチョークで描いたとは思えないほど鮮やかにポケモンのキャラクター達を描いたこの作品。SNS上では
「7時間で描けるんですか!?凄すぎます(>_<)ゞ」
「チョークでこんな色合いやタッチが可能なんですね!凄い!よりも発見!に近い感覚です。限界を越えている感じです。生徒の皆さんもきっと喜んでおられるかと!」
「なんかこういう風に写真貼り付けてるのかと思って開いてみたらチョークで書いてあったからビビった笑笑」
といった声が上がっている。
また実際にこの絵を見た生徒と思われるアカウントから
「先生は絵を描く事を天職として尊敬します。私も天職を見つけていきたいです。」
というコメントも見受けられた。それに対しポーションさんは「がんばれ!また遊びにおいでー!」と返信。その温かな人柄がうかがえた。
ポーションさんにお話を聞いた。
橋本きのこ(以下橋本):過去のものも含め、黒板アートを拝見しました。大変素晴らしい作品ですね。このような黒板アートを始めたきっかけはなんでしょうか?
ポーション:文化祭で以前から取り組んでいたこともありましたが、自分でもやってみようと思い、3年前の入学式でドラゴンクエストの黒板アートをしたのが初めてです。
今回は2回目で、カラー作品は初めての挑戦でした。
橋本:これで2回目ですか!しかもカラーは初挑戦でこのクオリティは凄いとしかいいようがありません….。
初めての挑戦ということで多くの難点があったと思いますが、苦労した部分はどこでしょうか?
ポーション:実際にカラーで製作するのは今回が初めてだったため、Amazonで多色のチョークを探して購入し、黒板に向かいました。多色と言っても12色だったので、かなり苦戦することは目に見えていました。青色が極端に明るいものしかなかったので、それをどうするか悩んだところが一番悩んだ部分です。一番暗い色は黒板自体の色なのでそれをうまく使い、仕上げるところが難しかったです。
橋本:作品の出来栄えには生徒達も驚いていたのではないですか?
ポーション:一斉にお披露目はせず生徒たちは徐々に教室に入ってきたため、驚いていた生徒もいましたが、大半の生徒の直接の反応は朝の朝礼などと重なり見ることができなかったのが残念です。
次に教室に向かった時は思い思いにすごいと言いながら写真などを撮影していて、嬉しかったです。
橋本:苦労が実った瞬間でもありますね。最後にSNS上の反響についてご感想をお聞かせください。
ポーション:SNSは個人のアカウントで細々とやっていたため、まさかこんなに反響があるとは思わず驚いています。周りの方々が皆さん喜んでくれてよかったです。過去の卒業生や今年卒業して行った生徒などにいろいろバレてしまったので、くだらないことが呟けなくなってしまってしまうのではないかと危惧しています。
◇ ◇
卒業式の前日から準備をし、朝学校が開くと同時に作品を描き始めたというポーションさん。お話を聞いて「生徒の為」という思いがひしひしと伝わってきた。ポーションさんの、作品はきっと旅立った生徒達の心に残り続け、この黒板アートのように将来を明るく照らしてくれるはずだ。