【漫画】あまりの怖さに数年間も“封印”された 知る人ぞ知る最恐ホラー漫画『吊り女』

橋本 未来 橋本 未来

 漫画に限らず、識者たちに高い評価を受けながらも、知る人ぞ知る存在となっている作品は多い。今回、紹介するホラー漫画『吊り女』もその一つだ。プロのホラー漫画作品を無料で読める某サイトに掲載された後、数年以上にもわたって日の目を見ることがなかった。今回、その恐怖作の紹介と共に、作者インタビューもお届けする。

冒頭から読む手が止まってしまうほどの恐怖。『吊り女』

「引越し先の部屋には女が出る」というセリフから始まるホラー作品。この部屋に移り住んだ女性が眠りにつこうとすると、天井から女の霊があらわれ、一晩中、女性をずっと覗き込んでいる。その恐怖に耐えかねた女性がとった“ある行動”により、思いも寄らない恐怖と遭遇してしまう。

 作者は、「胸アツ×胸きゅん漫画大賞」編集部賞受賞や、月刊「月マガ」や「リイドカフェコミックス」などに作品を発表するプロの漫画家・江藤ポン(@etoupon)さん。小学生の頃に学童クラブで出会った「サスペリア」を読んで以来、現代科学では解明できない未知の存在や現象に魅了され、ホラー作品を描くようになったという。

 また、江藤さんは創作する根底に強い思いを抱えている。「ホラー作品は、人間の負の部分(暴力や差別、怨嗟や執着など)に焦点を当てることが多いです。その部分は、隠されたり、捨てられたり、初めから無かったことされがちですが……。とある人が、『人間の負の部分を描くことで救われる人もいる』と言っていました。私もそう思いますが、そういう綺麗ごとよりも、『負の部分を隠したり無視してるヤツらの鼻っ柱に突き付けてぶん殴りたい』というのがホラー作品を描いている理由です」。

 この作品の魅力は数多くある。恐怖心を底から揺すぶるような力強い絵柄や、恐怖の後に突如として挟み込まれる静かなシーンとの緩急。何より、ストーリー構成は圧巻の一言。「どこを作品の山場にするかは、結構、意識しています。この作品なら、盛り塩を置いた晩に女の霊が出るシーンです。普段とは、違うということを強調するために、【女の腕】→【女の顔のアップ】→【女の霊に首を絞められる主人公】を大きなコマで描いています」と、江藤さん。

「今後は創作漫画で『人喰い魔女と弟子』シリーズに力を入れています(kindle、ニコニコ静画にて無料公開中)。また、一頁怪談の制作も続けたいですし、自作漫画の動画も増やしていきたいと思っています」と、その創作意欲はおさまることはない。今、力を注いでいるというその作品は、どのような仕上がりになるのか。ぜひ、注目したい!

■■江藤ポンさん情報
 
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