【漫画】ガロ出身まどの一哉「苦行くん」が14年ぶりに復活 かわいくてシュール

山本 鋼平 山本 鋼平

 1976年に「ガロ」でデビューを果たし、幻想的な作風で知られる漫画家まどの一哉さんが、自身のツイッターで新作「苦行くん」の連載を開始した。

 6ページの掌編。金太郎をモチーフにしたような、前掛けに記された〝苦行〟が特徴的なキャラクター「苦行くん」による、シュールな日常が描かれる。昨年は単行本「ロマンガロン」(青林工藝舎)が発売され、今年1月には掌編作品集「夜の集い」を自費出版するなど、創作を活発化させているまどのさん。もともとは2008年4月に発刊された雑誌「架空」に掲載された16ページの「苦行くん」が、14年ぶりに復活した。

 新たに描き下ろした動機を「『夜の集い』では自分で編集した時点で、『苦行くん』のみ作風の違いを理由に省きましたので復活の場を与えました」と説明。「架空」の創刊号が準備されている頃、SNSに落書きのようなイラストを投稿していたところ、好評のキャラクターだったという。「日本近代文学の中で私小説では人生が苦行に例えられる印象があったので、この言葉が面白いなと思ったものです。作品ではいろいろな難儀がすべて『苦行』という大げさな言葉で言い換えられてしまう可笑しさを狙っています」と語った。

 ※3ページ目以降、旧作16ページはコチラ

 現在は6ページの新作が2つ投稿されている「苦行くん」。旧作同様に潜水艦に搭乗し、唐突ともいえる外部との交流が、おかしみを感じさせる。まどのさんは「アイデアはこの場合『苦行くん』というキャラクターがありますから、彼らが日々何かするところを空想して繋げていきます。このシリーズは力の抜けたザックリした筆致でどれだけ描けるか開発の目的があるのですが、ユル〜い話を楽しんでもらって、できたら仕事につなげようという魂胆です」と話していた。

 新作第2話は、まどの一哉さんのツイッターで投稿中 ▶ツイッター https://twitter.com/kzy_mad/media

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