「うまい棒」12円に 発売43年で初の値上げ 過去の危機はサイズ変更で10円維持

杉田 康人 杉田 康人
値上げが決定した「うまい棒」
値上げが決定した「うまい棒」

 駄菓子メーカーのやおきん(東京都墨田区)が、4月出荷分から棒状の人気スナック菓子・うまい棒の希望小売価格を10円から12円(いずれも税抜き)に値上げすることが24日、関係者の話で分かった。同社では1979年(昭和54)から10円の価格を維持してきたが、値上げは発売開始43年で初だという。

 子どもたちの間で「うまい棒何本分」と、10円を表していたレートがついに通用しなくなる。やおきんは正式に値上げを発表していないが、問屋などに希望小売価格の値上げをすでに通告しており「原材料も含めて値段が上がっている中で、価格の維持に努めてきたが難しくなった」(関係者)と、2円の値上げに踏み切った。

 度重なる消費税率の引き上げや原材料費増でも、価格を据え置いてきたうまい棒。そのつど内容量を変え、10円を死守してきた歴史があった。関係者は「全体のサイズが変わって…というのはありました」と認める。

 「めんたい味」「たこ焼味」などが人気のうまい棒のサイズは現在、史上2番目の大きさまで戻ったというが、米国産とうもろこしなど原材料の高騰ラッシュで企業努力は限界に達した。希望小売価格のため「店によっては10円という値段が残る場合もある」(関係者)というものの、愛好者にとっては激辛すぎる値上げとなった。

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