桂文枝 涙の会見「新婚さん」今春勇退 ギネス記録51年 78歳「この辺が潮どき」

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 会見中、涙をこらえる桂文枝=大阪・朝日放送(撮影・高部洋祐)
 会見中、涙をこらえる桂文枝=大阪・朝日放送(撮影・高部洋祐)

 落語家・桂文枝(78)が7日、大阪・朝日放送で会見し、1971年1月31日から司会を務めている同局系全国ネット「新婚さんいらっしゃい!」(日曜、後0・55)から3月末で勇退することを発表した。2015年7月2日に放送44年127日を迎え、「同一司会者によるトーク番組の最長放送」としてギネス世界記録に認定され、その後も更新していた。番組は継続される予定で後任は未定。

 大きな決断だった。昨年7月に78歳を迎えた文枝は「若いカップルの話を聞くのは無理がある」と引き際を考えたという。昨年5月に、出演の声がけをされた演出家の澤田隆治さんが死去したことも理由に挙げた。

 持ちギャグ「いらっしゃ~い」を番組名に使い、71年3月までと要請された恩人の訃報はショックだった。「この辺が潮どき」と考えた文枝は、イスから転げる名物リアクションについて「体を気遣い、コケる回数を控えていた」と明かした。

 「晴れ晴れとした気持ち」といい、会見中は明るく振る舞ったが、27歳から起用し続けた朝日放送に対して「心からこの私を50年も使っていただいて感謝しか…」と言うと涙を流し、「本当にありがたいの一言です」と絞り出した。

 現在の山瀬まみ(52)まで7人のアシスタントに支えられた。文枝は71年7月から約6年半、コンビを組んだ故・梓みちよさんに対して「断然、梓さんがネームバリューが上だった。助けていただいて世に出していただいた」と感謝した。

 97年7月から最長の24年以上もパートナーを務める山瀬については「いい相棒」と表現。勇退について「ちらっと言ったりはしたが、山瀬さんは携帯(電話)を持ってないので話をしようがない。放送局の方にお任せしている」と話した。山瀬の今後について同局は「後日発表する」とした。

 後進に道を譲る気持ちは胸に秘めていた。15年7月のギネス認定式。文枝は「この勲章をもらったことで、私はどうなっても悔いがない」と明言し、「ただ、この番組だけはたとえ司会者が変わっても、いつまでも続けていただきたい」と「新婚さん-」の半永久的継続を熱望していた。

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