東京五輪・パラリンピック組織委員会の武藤敏郎事務総長が17日、都内のメーンプレスセンターで国際オリンピック委員会の理事会後に記者会見を実施。五輪開会式の作曲担当を務めるミュージシャンの小山田圭吾について、改めて辞任させる考えがないことを強調した。
小山田は1994年1月発行の「ロッキング・オン・ジャパン」と95年8月発行の「クイック・ジャパン」で、いじめを赤裸々に告白。小学校時代、同じクラブ活動をしていた、障がい者だという同級生に体育倉庫で暴力を振るうなどしたことや、中学時代には朝鮮学校から転校していた同級生にも「一緒に遊んでいた」としながらいじめ行為を行っていたことを明かし、深い反省の意は示していなかった。
今月14日に東京五輪開閉会式の製作・演出チームが発表され、小山田は開会式の作曲担当に就任。直後から過去の「いじめ自慢」とも取れる告白がネット上で話題となり、小山田の起用に反対する声が多く上がっていた。この流れを受け、小山田は16日に自身のツイッターに謝罪文を掲載していた。
武藤事務総長は小山田について「十分謝罪し反省している。倫理観をもって仕事をしていく、と話している。このタイミングでもあるので、引き続き大会を支えていって、貢献してもらいたい」と擁護。続投方針を明らかにした。
オリンピック・パラリンピック式典を巡っては、今年3月に企画・演出の統括役だったクリエーティブディレクターの佐々木宏氏がタレント・渡辺直美の容姿を侮辱する演出を提案した問題で辞任していた。