『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』が11日、公開初日を迎え、公開記念スペシャルトークつき上映会が実施された。全国の劇場で流された事前収録された特別映像内で、ハサウェイ・ノア役の小野賢章、ギギ・アンダルシア役の上田麗奈、ケネス・スレッグ役の諏訪部順一がそれぞれ感慨を口にした。
コロナ禍で3度の公開延期を余儀なくされた同作。小野は「本当に、やっと、という気持ちでいっぱいです。何回もお待たせしてしまいましたが、本当にこの日を迎えることができて本当に嬉しいです」と語った。上田は「私もすごく嬉しいです!制作チーム一丸となって一生懸命作った作品です。楽しんで見ていただけると思います」と述べた。諏訪部は「ガンダムチャンネルでAパート+オープニングを公開しているので、延期していく中で、ちょっとずつ本編を公開するんじゃないかと思ってヒヤヒヤしておりましたが、無事公開できて本当に嬉しいです」と率直な気持ちを語った。
演じるキャラクターの魅力を聞かれ、小野は「ブライト・ノアの息子で『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』のアムロとシャアの思い、衝突を間近で経験した人物です。どのように地球を守るのか、苦悩しながらもがきながら、前に進んでいくのが魅力的な部分だなと思っています」と答えた。上田は「ギギは大人っぽいところと少女っぽいところをどっちも合わせ持っており、すごく不思議でミステリアスな雰囲気も持っています。そこが、男性を弄んでしまう魅力に繋がっているのかなと思います」と語り、男性陣からも「魅力しかない」「魅力の塊」と呼応された。諏訪部は「連邦軍の司令官ということで軍人らしい厳しさももちろんありつつ、プライベートでは気さくなところもあり、そういうオンとオフがしっかりとあるのが魅力的な社会人だな、と思っております。また、大人の余裕も魅力の一つかなと思います」と話した。
アフレコ収録時の思い出も多く語られた。収録前に1時間以上、村瀬監督や小形プロデューサーと作品について意見を交わした点ついて、小野は「収録がもう2年前くらいなので記憶が曖昧ではありますが、独白のシーンが印象的ですね。このシーンの監督のイメージは、空っぽの部屋に丸いすと上からの明かりのみ、丸椅子に座っているハサウェイが、ポツポツと自分の心情を誰にいうでもなく、言ってくださいと言われたのがとても印象に残っていますね。他にも、色々とアドバイスはいただきましたが、最終的にはそのディレクションが一番印象に残りました。これから、このシーンかな? と思いながら見て欲しいですね。」と語った。
上田は「個人的に印象的なのは、ハサウェイは衝動的な人間だが、そうではないように振舞っている。だからこそギギと関わるのは怖い。というのがとても印象に残っています。ギギはギギらしく、ハサウェイと関わっていいんだな、と役作りのヒントにもなったし、ハサウェイはそんな人なんだなと、思いました」と回想。それに対し小野は「収録時の並びが今と一緒だったんです。右側(上田側)からの引力がすごかったですよ。魅力的なお芝居をされるので、引っ張られないよう、引っ張られないよう左側重心に頑張りました」と笑いを誘った。
諏訪部は「ファースト(ガンダム)から見続けているので、特別なレクチャーは受けていないんです。ケネスは、思ったことがすぐ表情に出ちゃいますし、見た通りのアウトプットをしていけばケネスになるという感じだったので、自分的にも、建前と本音がきちんとある、社会人として共感できる部分が多々ありました。素直に演じていました」と振り返った。
特に印象に残っていることを聞かれた小野は「今作の番宣を兼ねて、たくさんのテレビ出演をさせていただき、やっぱりガンダムってすごい作品で、皆さんから期待されている作品なんだなって、改めて実感しましたね」と返答。上田は「4月13日のイベントで[Alexandros]さんの生ライブを拝見したのはかなり衝撃的でしたね。今作は音楽も本当に素晴らしくて、流れるタイミングも最高で聞いていて心地いいのですが、主題歌もとても素敵で、ハサウェイにぴったりだと思っているので、それを生で聞くことができて、この作品が始まったんだなと感じて感動的でした。ぜひ音にも注目して見ていただけると嬉しいなと思いました」と話した。諏訪部は「昨年の3月24日のキャスト発表イベントですかね。『逆襲のシャア』時の古谷(徹)さんと池田(秀一)さんの生アフレコ。これをまさか生で聞ける日が来るとは思わなかったので、自分にとってご褒美のようでした。この仕事をして来てよかったと感じられる瞬間でした」と、思い出を語った。
今作はどのような存在かという質問に対し、小野は「ハサウェイを演じるにあたり、すごく悩みながら収録させていただきました。自分にとって、答えを探し続ける作品だなと思います」と語った。上田は「ガンダムに触れるきっかけになった作品になりました。まだ触れたことのない人も、この作品をきっかけに旧作に触れたいと思っていただけると嬉しいなと思います」と話した。諏訪部は「ご褒美という感じですね。宇宙世紀シリーズにようやく今回関われてうれしかったです。劇場試写で本編を観たのですが、本当に面白かったです。しっかりと〝映画〟でした。自信を持って見てくださいと言える作品です」と述べた。
小野が「何も言わず、百聞は一見にしかず、大迫力な映画になっております。ぜひ楽しんでご覧ください。ありがとうございました」と締めくくり、特別映像は幕を閉じた。