ジュニア向けファッションブランド・メゾピアノジュニアの香水「メゾピアノ オードトワレ フルーツポンチ」が約17年ぶりに復刻し、28日から予約受付が開始される(バンダイ公式通販サイト・プレミアムバンダイで5月30日まで。12月発売予定)。少女たちの憧れだった〝メゾピアノの香水〟復刻に込められた思いをナルミヤ・インターナショナルのジュニア事業部長とメゾピアノジュニア企画生産MDが語った。
復刻のきっかけになったのは、昨年11月にTwitterで公開された漫画だった。15年以上前の小学生が高価な〝メゾピアノの香水〟に憧れていた思い出が描かれ、多くの共感を呼んだ。漫画は4万件以上リツートされ、「メゾピアノ」のキーワードがトレンンド入り。ブランドを運営するナルミヤ・インターナショナルのWebサイトにも再販を求める声が届いたという。「月曜の朝(会社に)来たら10件くらい問い合わせがあったんですよ。これはなんなんだろうなと。『再販を希望します』っていうのは(普段は)あまりないんですよね」と事業部長は驚きを振り返る。
復刻販売のターゲットは「お子さまではなく当時メゾピアノを着ていた方、憧れとしてメゾピアノを意識していた方。20代後半がコアになっています」(MD)。子供服ブランドを運営する同社にとって20代は今まで対象としていなかった年齢層だが、「われわれの商品を通して思い出を持ってくれている方達になんとかお応えしたい」との思いから急ピッチで企画が進められたという。
メゾピアノジュニア(mezzo piano junior)はナルミヤ・インターナショナルの小学校高学年向けブランドの一つ。エンジェルブルーやポンポネットジュニアなどのブランドとともに2000年代初頭の「ジュニアブーム」をけん引した。
今回復刻される香水は2004年に発売開始されたもの。当時、ライセンス事業として化粧品を扱う「コスメティックパーラー」や文房具や雑貨を扱う「レインボーパーク」が洋服売り場に隣接して展開され、香水もその一部として販売されていた。
今でこそトレンド入りするほどの盛り上がりを見せた香水だが、当時の販売数について「はっきり言って数量は1番少なかった部類だったと思います」と事業部長は明かした。 当時の販売価格は5250円(税込)。小学生には手が届きにくい価格であることから憧れが強まり、その小学生が大人になって経済力をつけたことで「『大人買い』に近い感覚」で今の購買意欲につながったとMDは分析する。
17年前の商品を再現するにあたって苦労もあった。当時使用された瓶を作る金型がなく、「きれいな状態で1つだけ残っていた」というオリジナル商品を3Dスキャンにかけ新たな型を製作。香りも廃盤になった成分があったといい、オリジナル版と比較しながら配合量のテストを行い「本物に合わせた再現」になっているという。
香水復刻プロジェクトを受けて、ベリエちゃんのツイッターアカウント(@berriefan)もオープン。開設後2日間で1万フォロワーを獲得した。「#大人になったベリエファン」のハッシュタグで、大人のファンに向けた情報発信と思い出を共有する場を提供をしている。LINEスタンプやベリエちゃんの顔をモチーフにした雑貨も販売。グッズは大人の購買が多く、特に巾着は完売するほどの人気だったという。今後もTシャツやポーチなどのベリエちゃんアイテムを展開する予定だ。