ネットフリックスのドキュメンタリー「The BTS: The Return」は、古代ギリシャ文学の名作「オデュッセイア」とギリシャ神話から着想を得て制作されたという。トロイア戦争後、10年をかけて故郷へ戻る王オデュッセウスの旅になぞらえ、BTSの活動休止と再集結を「現代の叙事詩」として描いている。
監督のバオ・グエン氏は2021年のSoFiスタジアム公演を観た体験が原点だったとティーン・ヴォーグ誌に語る。「とにかく壮大でした。BTSは戦地へ向かうオデュッセウスで、ARMYは帰りを待ち続けるペーネロペーのように感じました」
この発想をレーベルに伝えたが、当時はメンバーが兵役期に入り、企画は一度止まったという。転機は2025年夏。「グループが戻って、アルバムを制作している。映画を作らないかと言われました。そこから始まったんです」と振り返る。
制作初期、RMとの会話が確信に変わったという。「車で移動中、オデュッセイアとギリシャ神話が枠組みだと話したら、彼がクロノスとカイロスについて語り始めたんです。クロノスは測れる直線的な時間で、カイロスは瞬間や無常としての時間。その話を聞いて、外から見ていた彼らの旅と、本人たちの視点が一致していると分かりました。RMは本当に哲学的で賢明な人で、その瞬間、この映画はきっと素晴らしいものになると思ったんです」と語っている。