1900年の児童文学『オズの魔法使い』が、ホラー映画として新たに生まれ変わる。『Dorothy: The Haunting of Oz』は、22歳の新鋭エリヤ・J・アルバレスが脚本・監督・製作を手がける長編デビュー作で、現在ポストプロダクションに入っており、来年公開予定だ。
舞台はカリフォルニア州マリン郡のハロウィンの夜。物語は、大学のバスケットボール選手たちが、悪夢のようなドロシー、西の悪い魔女、ブリキ男、かかし、そして殺人ピエロの一団に追われるというスリリングな展開を描く。次第にキャンパスは混乱に包まれ、殺人のたびに学生たちの心の闇や「オズ」の歪んだ残響が浮かび上がり、彼らは捕食者と獲物の狭間で自らの内なる悪と対峙していく。
アルバレスは、本作を通じて「Z世代の学生アスリートのリアルな姿を、これまでのホラー映画とは異なる形で描きたかった」と語る。『ゲット・アウト』や『罪人たち』のように、ジャンルを通じて社会的テーマを掘り下げる作品に影響を受けたという。
『Dorothy: The Haunting of Oz』は、著作権が切れた児童文学をホラーに再構築する近年の流れの一環でもある。2023年には『くまのプーさん』を殺人鬼に変えた『プー あくまのくまさん』が話題を呼び、続編や『小鹿のゾンビ』『ネバーランド・ナイトメア』などを含む「ツイステッド・チャイルドフッド・ユニバース(TCU)」が展開されている。