日本維新の会の藤田文武共同代表(44)が12日、国会内での定例会見で、自身の公金還流疑惑を指摘した日本共産党の機関紙「しんぶん赤旗 日曜版」記者の名刺を携帯電話の番号、メールアドレスを見えないように加工し、X(旧ツイッター)で公開したことについて「私のスタンスを変えるつもりはない」と述べ、削除する考えがないことを重ねて強調した。
この日の会見では、記者団から「与党共同代表という肩書がある中で、そういう行動に出ると言論に対して萎縮させてしまうという懸念もある」「与党に一翼を担う代表として、名刺をさらしていることについて修正すべきではないか」との質問が相次いだ。
藤田氏は「この件については何度も申し上げている」「改めて申し上げることはない」などと前置きし「『赤旗』さんは報道機関じゃありませんので、皆さん(記者団)と一律ではない。政党と政党のある種のやりとりということで、一線引いてやっております」と、これまでの主張を繰り返した。
さらに「いろいろ価値観はあるんだろうと思いますから。私自身の対処方針というのはいったん決めて、そこから変えるつもりはありません」と、姿勢は不変だとした。
藤田氏は「しんぶん赤旗」紙について「報道機関ではないと思っているので、彼らに公平な報道をする義務はないと私は思っていて。だから、私にとって恣意(しい)的な記事を書くということも政治的主張の中で認めているとむしろ言っている。恣意的な記事を書いておられるということがおかしいんじゃないかということは、私は一度も言ったことがない。政党の機関紙だから政治的主張なので、別にそういうスタンスで構わない。だからそういう対応をしているだけ」と持論を展開した。
「しんぶん赤旗」側が、法的措置を検討していることを指摘された藤田氏は「何か意地になっているつもりはなくて、私の対処方針として一線を引いているだけ。先方が訴訟するっていうのは権利なので。されるんだったらそうなるでしょうし、法廷で争うということになるんだったら、私らは受ける立場なので、そうせざるを得ないというだけの話。それがどうなるかは、公平に判断していただいたらいい」と述べた。
藤田氏は「ずっと何度もご説明させていただいている論理構成の中で、言っていることに変わりなく、別に意地になっているわけでもなく、正当な所作、振る舞いの中でさせていただいている線引きがこれであるということを何度も申し上げているだけで、怒っているわけでも意地になっているわけでもありません」と胸中を明かした。
また、会見では「金輪際、出禁にさせてもらいました」として、公設第1秘書が経営する会社兼自宅マンションの敷地内に侵入、撮影したと藤田氏が主張するフリージャーナリストと、動画を公開したネットメディアを出入り禁止にしたことを明らかにした。
藤田氏が「犯罪行為」と発言したことにフリージャーナリスト側から撤回、謝罪を求める質問状が届いたことに触れ「動画にも映っている話なので。オートロックがないとか言ってんのかな。撮っている中にあるんですけど。なんか否認されているようなので、私たちはそういうリスクも勘案して、その方と一緒に」とネットメディアともども出禁にした理由を説明した。