少子化や晩婚化が進む中で、結婚や結婚式に対する価値観はますます多様化している。株式会社トキハナはこのほど、全国の高校生・大学生219人を対象に「結婚・結婚式に関する意識調査」を実施、結果を公表した。
「将来結婚したいか」という問いでは、75.3%が「結婚したい」と回答。「一緒に過ごせるパートナーがほしいから(60.0%)」「家族をつくりたいから(43.0%)」「子どもがほしいから(35.2%)」など、“人とのつながり”を重視する理由が挙げられた。
一方、「結婚したくない」と答えた23.7%は、理由として「自由な時間を大切にしたいから(53.8%)」「責任や制約が増えるのが嫌だから(42.3%)」といった、個人の自由や心理的負担を理由とする声が目立った。
結婚したい人のうち、結婚式を「挙げたい」と回答した学生は62.4%と、「挙げたくない(16.4%)」を大きく上回り、若い世代の間で結婚式への憧れや関心が依然として根強いことが分かる。理由としては、「ウェディングドレスを着てみたい(42.7%)」「小さい頃からの憧れ(28.2%)」「SNSやドラマ・映画で見て印象に残った(26.2%)」など、“憧れ”や“自己表現”を重視する傾向が見られる。
一方で、「結婚式を挙げたくない」理由のトップは「人前に立つのが恥ずかしい・苦手だから(59.3%)」で、次いで「費用が高そうだから(33.3%)」だった。費用面より、“人前に立つことへの抵抗感”という心理的なハードルが若者の意識に大きく影響している。
結婚式をしたいと思ったきっかけとして最も多かったのは「SNS(Instagram・TikTokなど)」で45.6%。「ドラマや映画(33.0%)」「家族や友人の式(30.1%)」を上回り、SNSで見た理想的なシーンや感動的な演出が、若者の結婚式への憧れや価値観形成に強く影響していることが分かる。
実際に「やってみたい演出」としては、「写真映えする装飾演出(45.6%)」や「感謝を伝える演出(39.8%)」「映像・ムービー演出(37.9%)」が上位に挙がり、SNS発信と感動体験を両立させた“思い出重視”の傾向が見られる。理想のスタイルも「家族中心の少人数婚(56.3%)」が最多で、「盛大な披露宴(32.0%)」や「リゾート婚(10.7%)」を大きく上回り、華やかさよりも「大切な人と心温まる時間を過ごす」ことを重視する価値観がうかがえる。
SNSで「理想の結婚式」を目にして憧れを抱く一方で、注目を浴びることにためらいを感じる若者も少なくない。こうした背景から、高校生・大学生の結婚式に対する意識は、「映えや大切な人に感謝を伝えるために結婚式をしたい派」と「人前に立ってまで結婚式をしたくない派」で二極化しているようだ。今後は、「主役にならなくてもいい」「人前が苦手でも楽しめる」といったニーズに向けて、パーティー形式など多様な価値観を受け入れる新しい結婚式のあり方が広がりそうだ。