ライブハウスのドリンク事情がSNS上で大きな注目を集めている。
きっかけになったのは
「ライブハウスのドリンク代、別に高いとは思わないけど、600-800円払って全然綺麗にしてないサーバーからビール(発泡酒の時もある)出されたり、目の前で発泡酒の缶開けて紙コップに半分くらい注いだのを出されたりという体験を何度もしているので、そういう高い安い以前の『商売舐めてる』のは本当に勘弁して欲しいと思う」
という東京メタルシティさん(@tokyometalcity)の投稿。
ライブハウスの多くは制限の多い興行場法の適用を避け、興行場ではなく飲食店として営業している。そのためドリンクの提供は必須となるのだが、飲食店としての内容やクオリティは店舗によってさまざま。レストランや居酒屋のように充実したところもあれば、残念ながら東京メタルシティが指摘するように低レベルなところもあるのだ。
今回の投稿に対し、SNSユーザー達からは
「金を取ってる以上はせめて『普通の』飲み物を出して欲しいですね。」
「DAISOで買った水がドリンクでまんま出てきた時あります」
「それ考えたら缶ビールそのままくれるZeppは良心的なのかもな」
「どうしたって買わされるから1杯目は仕方なく飲むけど、ライブハウスで2杯目を飲みたいと思ったことがない。
2杯目3杯目を飲みたくなるように力を入れてほしい。
音楽を聴きに行く"体験"をしに行ってるので、体験の価値を上げる努力は箱側もするべき。」
など数々の共感の声が寄せられている。
東京メタルシティさんにお話を聞いた。
ーー今回の投稿のきっかけは?
東京メタルシティ:自身もミュージシャンとして出演し、また、客としても行くことのあるライブハウスというビジネスにおいて、しばしばそのサービスの質や在り方が周囲の人とも話題になります。今回の投稿はその中でもドリンクのサービスについて感じていたことを投稿しました。
私自身がビール党ということもあり、ライブハウスでもよくビールを飲むのですが、投稿でも書いたように価格の高い安いの話ではなく、もっと基本的な提供の品質、姿勢が改善されればもっと安心して気兼ねなくライブハウスを利用できると感じています。
もちろん、そういう基本的なサービスが素晴らしいライブハウスも沢山あります。ドリンクはライブハウスにとってあくまで一要素でしかありませんが、そこが向上すれば多くの人にとって喜ばしいことだと思います。
ーー飲食店として向上すればより多くの層にアピールできるのに…と思うことは多々ありますね。
東京メタルシティ:ライブハウスは生演奏の場です。しかしそのパフォーマンスを提供し、お客さんに体験してもらうことは演者サイドだけでは完結できない部分があり、それを担うのがライブハウスの装置、サービスの役割だと思います。
日常を忘れて音楽を楽しめる特別な空間だと思うので、より多くの人にライブハウスという存在が気軽に楽しめる場所になって欲しいと願っています。
ーーご投稿に対し大きな反響がありました。
東京メタルシティ:共感が多いこと驚きましたが、「ドリンク代はシステム上のものでしかないから提供の品質が悪くても仕方ない」という意見も少ないながら寄せられていて、そこにも驚きを感じました。
お客さんのキャパシティが1,000人を超えるような大きな箱から十数人しか入らない小さな箱まで、一口にライブハウスといっても様々な条件が違います。同じトピックでもお客さんの立場や、普段どのようなサイズ・形態のライブハウスを利用しているかでまったく見え方が変わるというのを興味深く感じています。
◇ ◇
筆者も仕事柄、各地のライブハウスを訪れるが、飲食の充実した店舗のほうが長く存続しているケースが多いように感じる。1980年代、1990年代と違い、近年はどんなライブハウス、イベントでもそれなりの入場料がかかる。それにともなった空間の質の向上は必須だと思うのだがいかに。
東京メタルシティさんプロフィール
ヘヴィメタルとギターミュージックの振興を掲げる架空の都市、 東京メタルシティの市長としてXを中心にSNSで活躍中。 その活動はSNS上に止まらずビギナーからプロまで歓迎のセッション会のM響、ライブ、ワークショップ、楽器イベントへの出演など、メタルとギターへの愛を掲げメタル市民増加のため精力的に行なっている。市長の中の人はプロギタリストとしてコンサート、レコーディングや制作、多方面で活動しているという噂も…。
Xアカウント:https://x.com/tokyometalcity