イギリスのチャールズ国王が、世界コンカー選手権(WCC)を救ったという。
糸に通したセイヨウトチノキの実(コンカー)を互いにぶつけ合い相手の実を割るイギリス伝統の遊びのコンカー・ゲームだが、世界大会WCCの基準を満たす大型の実が不足する事態が発生、開催中止が懸念されていた。しかしイギリス王室のウィンザー城から「非常に良質な」コンカー300個以上が届き、60周年記念大会の開催が無事決定する運びとなった。
WCC委員会のセント・ジョン・バーケット氏は「今回、コンカーが送られてきたのは本当に嬉しいことでした。ウィンザー城からの配送品は本当に良質でした。素晴らしいもので、大会開催を確実に保証してくれたのです」と話す。
「ウィンザー城の敷地内で採取され、王室の広報部門を通じて送られてきた小包」だったそうで、セント・ジョン氏は「興味深いことに、誰が拾ったかは不明ですが、少なくとも数粒は(チャールズ)国王ご自身が拾われたのではと想像しています。深く感謝しています。決勝戦用に確保したため、ロイヤル・ウィンザー産のコンカーが決勝を制することとなります」と続けた。
ちなみにWCCに使用される実は欧州各国から輸入されているそうで、主催者のチャールズ・ウォーリー氏は「世界中からコンカーが届いています。実に驚くべきことです。この大会への愛着を象徴していると言えるでしょう。ヨーロッパ各地、イタリアやフランスからも届いています。コンカーを提供したいというメールが殺到しています。『ここにはたくさんあるから取りに来て欲しい』『送ることもできる』といった内容です。ヨーロッパからの支援と、現時点で木に残っている実のおかげで、すべて順調であることを喜びと共にお伝えさせて頂きます」と語る。
今年のWCCは10月25日、ノーサンプトンシャー州サウスウィックで開催予定、約2000人の観客が集まる見込みだ。昨年は男子優勝者で1977年から出場しているデイビッド・ジャキンス選手が、自身のコンカーを金属製のものとすり替えたとして、不正疑惑が上がるも本人は否定、調査の結果「公正にタイトルを獲得した」と判定されることとなった。