琵琶湖のブラックバスを捕獲、駆除する動画が話題になっている。
登録者44万人以上、YouTubeチャンネル「マーシーの獲ったり狩ったり」を運営するマーシーさんが投稿したのは、手にタモを持ち、素潜りで50cmオーバーのブラックバスをどんどん獲る「たった90分で推定『8万4匹』のブラックバスを駆除する方法が超効率的過ぎる衝撃の捕獲映像」という動画。
湖底に産み付けられた紫色の卵も見られるが、ブラックバスは一度に約2万個を産卵するそう。捕獲したブラックバスには、卵で腹がパンパンの固体も。外来種の“最強の駆除効率”と語られているが、その方法とは。マーシーさんに話を聞いた。
――動画の駆除方法について
マーシー:ブラックバスは5月、6月の産卵期になると、オスが浅瀬に産卵床を作りメスを迎え入れ産卵させた後、卵を守るという生態があります。その産卵床を離れない親ブラックバスの習性を生かし、素潜りで産卵床周辺の親個体を網で捕獲するというもの。残った卵はブルーギルや、琵琶湖固有亜種であるビワヒガイが食べるので生き残れません。
――今回の駆除の感想は?
マーシー:現在琵琶湖のブラックバスとブルーギルは漁業者さんの防除が功を制し減っていますが、今後どうなるかはまだわかりません。今後も駆除とモニタリングを続け、琵琶湖の生態系の変化を多くの方に見ていただきたいです。
――視聴者に感じてもらいたいことは?
マーシー:水中にいる外来種の多さを実感してほしい。琵琶湖という400万年の歴史を持つ湖の生態系が、たった数十年で人間が引き起こした様々な問題によって大きく変化しています。外来種問題は外来生物が引き起こす問題ではなく人災。
動画で防除をしつつ普及啓発をしていますが、今回の動画のコメント欄には、一部釣り人から様々な否定的なコメントをいただきました。しかし事実として、琵琶湖ブラックバスとブルーギルの減少により、在来種の魚「ビワヒガイ(琵琶湖固有亜種)、ホンモロコ(琵琶湖固有種、絶滅危惧種IA類)、カネヒラ、ワタカ(琵琶湖淀川水系固有種、絶滅危惧IA類)、ニゴロブナ(琵琶湖固有種、絶滅危惧IB類)」は増加傾向。水産資源有用種もいて、滋賀県の水産業の発展や在来魚釣り産業の発展も期待できます。
琵琶湖の外来魚が減少し在来魚が復活できるということは、どの湖でも外来種を減らして在来種を増やすことが出来る。外来種防除は無駄ではないことの証明でもあります。
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YouTubeのコメント欄では「素晴らしい取り組み」「行政の支援があってもいいのでは」などのコメントが多く寄せられたが、「バス釣りが趣味だからマジ勘弁」「ブラックバスがかわいそう」などの声も多く寄せられた。
なお、琵琶湖は多くの固有種が生息する世界でも有数の古代湖であり、条例に基づきリリースは禁止。外来種を減らす取り組みは、自治体も推進している。
マーシーの獲ったり狩ったり You Tube
https://www.youtube.com/@marsy-catchinghunting