深川麻衣、描く理想の女優像「その世界でちゃんと生きている人」 乃木坂卒業生の活躍は「励み」

中江 寿 中江 寿
深川麻衣
深川麻衣

 女優の深川麻衣がこのほど、大阪市内でよろず~ニュースの取材に応じた。6月6日に全国公開される映画「ぶぶ漬けどうどす」では主人公・澁澤まどかを演じる。今回の作品に対する思い、乃木坂46時代の仲間との絆、女優としての目標などについて語った。

 物語は京都で450年続く老舗扇子店の長男と結婚したフリーライター・まどかが、東京から京都にやって来て、京都のいちばんの理解者になろうと引き起こす大騒動を描くシニカルコメディ。

 今回の役作りには難しさを感じた。「物語上、大事にしないといけない軸みたいなところはどこかな?っていうのを、ずっと考えました。(映画の)後半にかけて、まどかがすごいことを巻き起こすんですよね。そこに至るまでの原動力でどこから来るんだろうとかって。その強い動かされる気持ちって、どこから湧いてくるんだろうっていうことを、つなげていくのに時間がかかって。一番、悩んだところかもしれないです」。役に入り込むのに、これまで演じた役の中で最も時間がかかったかもしれないという。

 映画を通じて感じたことがあった。「この作品の中で(冨永昌敬)監督も大切にされていた『~らしさ』を押しつけるということを、もしかしたら自分も無意識にしちゃっているかもっていうことに気づいて。日常生活でも京都に行った時でも、気をつけようという気持ちになりました」。京都に対する固定観念、日常でも人に対する決まったイメージ。「映画のラストでもハッとさせられた部分もありますし、自分の目線で、ジャンルやキャラで、人間って括りがちなので」。心境にも変化が生まれた。

 劇中でまどかは「本音と建前」の文化を甘く見ていたせいで、気づけば京都の女将さんたちの怒りを買ってしまう。自分の中にも、本音と建前の使い分けは少なからずあるという。「多分、誰しもあると思います。必要な時はあるかもしれないですけど、そんなに本音と建前が分かれていない方が、自分にとってもいいと思うので」。ただ、得意ではない様子。「『顔に出る』とはすごく言われますね。だから分かりやすいと」。性格的に向いていないようだ。

 京都滞在中は新しい発見もした。「京都っておばんざいとかが有名ですけど、グルメのジャンルが幅広くて。カレー屋さん、ラーメン屋さん、焼き肉屋さん、激戦区があったりとか。どのお店に入っても、どこも美味しくて」。スマホには食事で行った店や気になる店をチェックするグルメマップのアプリを入れており、その情報が豊かになった。

 2016年に乃木坂46を卒業。同じ卒業生の活躍はいい意味での刺激になっている。「女優さんをされている方も多いですけど、それ以外でも、みんなが頑張っていることを聞いたりとか、久しぶりに会って話したりとか、ニュースを見たりとかすると、すごく自分も頑張らないという励みになります」。ライバル意識はなく、うれしさを感じている。

 女優としての目標はいろいろだ。「まだ出会ったことがないようは役柄だったり、作品に出会って行けたら。それと、昔から変わらない理想像というか、時代劇でもSFでも、どんな時代の作品でも、その世界でちゃんと生きている、存在している人って、見ている人に思ってもらえるようになりたいですね。そうなれるように1個1個(作品に)向き合っていけたらなと思って」。やりたいことはたくさんある。

 役の幅も広げたい。「時代劇が大好きなので、もっとたくさんやっていきたいのと、SF系は未経験なのでやりたいですし、医療系もやったことがないので経験してみたいです」。さらなるステージを追い求めていく。

 ◆深川麻衣(ふかがわ・まい)1991年3月29日生まれ、34歳。静岡県出身。2016年に乃木坂46卒業後は女優として映画、舞台、テレビと幅広く活躍中。

よろず〜の求人情報

求人情報一覧へ

気になるキーワード

新着ニュース