「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズではウィル・ターナー(オーランド・ブルーム)の父ビルを演じていたスウェーデン出身の名優ステラン・スカルスガルド(73)の息子で俳優のアレクサンダー・スカルスガルド(48)は、10代の頃、父親が裸で歩き回る姿に恥ずかしさを覚えていたという。アレクサンダーは、芸術的な家庭で育ったが、思春期になるとそのオープンさに不安を抱くようになったそうだ。
「タイムズ」紙にアレクサンダーは「とてもアーティスティックな家庭で、盛大なディナーパーティーが開かれてはたくさんのワインが振舞われていた。自分の父親は、友人の父親とは違う感じで恥ずかしかったよ」と語った。「いつも裸で歩き回っていて、そこら中に変わった詩人や芸術家がいた。今思えばとても刺激的で、楽しくクリエイティブな環境だったね。僕ら子供たちも平等に扱われていた」と“違う”ポイントを説明した。
「大人が4歳と一緒に座り、こちらの意見に耳を傾けて、『その意見にはちょっと賛成しかねる』とか言ってくれて、今は感謝しているよ」と振り返った。「でもティーンエイジャーになって友達も来ることになると、不安が襲ってきた。僕の夢は、(父親が)サーブを運転し、グレーのスーツを着て、9時に家を出て、5時に帰って来ることだった。ヒッピーたちと走り回って、夜な夜な外出するのではなくね」と“普通”の親に憧れていたことも告白。「友達は挨拶や、サインをもらいに来たりしてくれたけど、僕は被害妄想で不安になったよ。全然好きになれなかった」と語った。
子役として演技をスタートするも、13歳の時に一旦辞めて、大人になってからショービジネス界に復帰したアレクサンダー。19歳の時にスウェーデンの徴兵制に登録し、次のジェームズ・ボンドのようになりたかったものの、現実はそんな華やかさなどなかったという。「今は義務だけど、当時は違った。国を守る、ロシアがスウェーデンに侵攻するのを防ぐためという愛国的な理由じゃなかった。19歳で何をしていいかわからず、1年半の間ジェームズ・ボンドになりたかったからさ」と説明。「シャンパンもモデルもいなかったね。というのも僕はチームリーダーで、任務に出る時は他の3人と一緒だった。バカな10代には責任が重かったよ。少し成長しなきゃいけなかったんだ」と振り返った。
アレクサンダーは「ゴジラVSコング」(2021年)で主人公の地質学者ネイサン・リンドを演じていたことで知られる。