国民民主党が20日、今夏の参院選兵庫選挙区（改選数3）に、元経済産業省職員の多田ひとみ氏（44）を擁立すると発表した。
神戸市内で、玉木雄一郎代表（55）らとともに会見した多田氏は「本当に働く人、ひとりひとりの手取りを増やすことこそが、暮らしを温めます。暮らしが温まれば、社会が安定します。そしてその結果、経済が発展します。その思いが強くありますので、手取りを増やす政策の実現に力を尽くしたいと考えている。頑張って働く人に焦点を当てた政策を訴え続けている国民民主党で、これらの政策を実現したく、出馬を決めさせていただきました」と意気込みを語った。
国民民主党は当初、無所属での立候補を表明した元兵庫県明石市長の泉房穂氏（61）を支援する意向だったが、泉氏が3月24日に神戸市内で行った出馬会見で「魅力的な政党がない」と発言したことを問題視。独自候補の擁立を目指していた。
玉木氏は「（兵庫）県連の方で、泉さんを応援するような形でできないかということを検討していたのを、尊重して聞いておりましたけれども、ただ、ご存じのようなこともあってですね、なかなか難しいということであれば、原点に立ち返って、公認候補者を兵庫県でも立てるということ」と、党独自の候補者擁立に至った経緯を説明した。
多田氏は「泉さんは、市民のため国民のために政策を実現してきた、本当に素晴らしい方だと思っております。私も泉さんを応援しようと思っていたんですけれども、残念ながらあのような結果のことが起こりましたので、その後に急きょ私の方にご連絡が来て、出馬ということになりました」と事情を明かした。
その上で「泉房穂さんは参議院で、与党を過半数割れにする同志だと思っています。対立候補ではなく、一緒に与党を過半数割れにする同志として先輩として。私は泉さんと違った形で、柔和な女性らしさ、対決より解決ということで、対話を求める姿勢で政治を進めていきたいと考えております」と述べた。
兵庫県政を意識したのか、多田氏は兵庫選挙区から出馬する理由について「私は、この兵庫県の政治と経済を、穏やかで優しさを重んじる、対話を中心とするものに戻したいと強く思っております。穏やかで対話を中心とする兵庫県に戻し、相手への尊敬と優しさ、論破より議論、対決より解決を推進していきながら、国民民主党の政策を実現していきたい」と強調した。
同選挙区は自民党現職の加田裕之氏（54）、公明党現職の高橋光男氏（48）が改選を迎える他、泉氏、共産党新人で元兵庫県議の金田峰生氏（59）、参政党新人の藤原誠也氏（36）がすでに立候補を表明している。
