ウォンバットの赤ちゃんを無理やり抱えて走る動画を米国人の女性インフルエンサーが投稿したことに対し、オーストラリア国内で怒りの声が広がっている。バーク内務相は、この人物のビザを永久に取り消す可能性も含め、見直していると発表した。
ウォンバットは短い足にずんぐりとした体つきで愛されており、オーストラリアの固有種として保護されている。
インフルエンサーのサム・ジョーンズさんは、9万2000人がフォローするインスタグラムに問題の動画を投稿。その後、アカウントを非公開に設定した。動画にはジョーンズ氏が抵抗する赤ちゃんを無理やり抱えて走る姿や、母親が後ろから追いかける様子が収められている。ウォンバットはその後、道路に戻されたという。
アルバニージー豪首相は「他のオーストラリア固有の動物でも試したらどうだろうか。ワニの赤ちゃんを母親から奪ってみては。ウォンバットではなく反撃する動物で試したら、どうなるだろう」と語気を強めた。
国内で怒りが渦巻き、国際問題になりかねない状況だった。バーク内務相は声明で、ビザ要件に違反している可能性もあるとして調査を進めていると表明。「この人物がオーストラリアを去る日を待ちきれない」と述べ、「戻ってくるとは思わないが」とビザを永久に取り消す可能性さえ示唆していた。
ジョーンズさんは”炎上”した後、SNSを通じて「多くの人に不快な思いをさせたことを申し訳なく思っている」と謝罪。「赤ちゃんを抱き上げたのは、車にひかれないようにするためだった」などと主張し、別の投稿で「本当に私は悪人なの?」などとコメントしている。