市議会から2度目の不信任決議を受け、2月17日に自動失職した大阪府岸和田市の永野耕平前市長(46)が18日、同市内で会見し、同市長選(30日告示、4月6日投開票)に無所属で出馬する意向を正式表明した。
永野氏は「教育、医療、福祉を充実させていかなければならない。ただ、財政的に非常に逼迫(ひっぱく)している。市長が決めることができる政策的な予算は1.数%だが、増税では無く、改革でお金を生み出していきたい。生み出した財源を教育、医療、福祉の充実に充てたいとした。
また、将来のビジョンとして「世界とつながる岸和田」を挙げ「岸和田の人たちが好きな岸和田を、世界の人たちに提案していきたい。世界の人たちに愛される街が、私たち岸和田市民にとっても最高の街である。世界とつながる岸和田を創っていきたい」と訴えた。
永野氏は「選挙にあたっては、正しい情報を伝達し、正しくない情報、デマ、ウソは排除して、民主主義の根幹である正しい情報を市民に、お届けしながらやっていきたい」と強調した。性的関係をめぐって、不倫関係にあった府内の女性から提訴され、24年11月に解決金500万円を支払い和解。「自分の不始末によって世間をお騒がせして、今回の選挙もそれが発端となっている。お騒がせしたことは申し訳なかったと思っております」としながらも、性加害については一貫して否定している。
その上で「事実ではないことをいまだに言っている方々がいる。私に対して、性加害をしたということを決めつけた発言をされた。許すことができない」として、2月17日の同市議会本会議で、永野氏の行為を「単なる不倫ではなく性加害であります」などと発言した同市議を名誉毀損で提訴したことを明かした。
永野氏は「私自身の問題では無く、民主主義っていうのは正しい情報によって市民が、国民が選択するということ。民主主義を守る意味でも、正しくない情報については毅然(きぜん)とした態度で対応しなければいけない。私に対して、事実ではないことを流布された方については法的に対応をさせていただきたい」と姿勢を示した。
政治団体・NHKから国民を守る党の立花孝志党首(57)が14日、都内で男にナタで切りつけられ、重傷を負った事件を引き合いに出し「正しくない情報が流布されたことにより、一部の人が誤解をして、ああいった行動に出た人がいた。正しい情報というのは、本当に大事なこと。市民、国民の皆さんに正しい情報を伝えること、これが大切なんだということをご理解いただきたい」と訴えた。
当選した場合の、市議会との向き合い方を問われた永野氏は「議会の皆さんも、私が当選したらそれは民意だと受け止めるという風なことをおっしゃっている方もたくさんおられる。議会の皆さんと一緒に力を合わせて、今回の市民の皆さんに悪影響を及ばさないように尽くしてまいりたい。その自信はあります」と語気を強めた。