戦隊ヒーロー&仮面ライダー経験俳優が描く夢 多和田任益「ヒーローものなら敵役」大河出演で祖父母孝行を

中江 寿 中江 寿
多和田任益
多和田任益

 俳優で振付師の多和田任益(たわだ・ひでや)がこのほど、大阪市内でよろず~ニュースの取材に応じた。2・5次元ミュージカルやスーパー戦隊シリーズをはじめ、舞台、テレビと幅広く活躍をしてきた多和田が、仕事に対する思い、これからの目標などについて語った。

 関西で演劇を見たことのない人に触れてもらう機会として、関西の演劇界を元気にしたいプロジェクト第1弾「舞台小説 ついてる!~めぐりめぐる、おむすび~」(12~16日、大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA SSホール)に出演する。現在放送中のNHK朝ドラ「おむすび」にインスパイアされたオリジナル作品で、ヒロインが憧れる高校時代の先輩を演じる。

 大阪出身でもあり、今回の舞台には特別な思いがある。「このプロジェクトを立ち上げたとき、お声掛け頂いたことが、すごくうれしいですよね」。チケットを買って劇場に足を運んでもらうことは、難しいことだと感じている。「自分もそうでしたが、ハードルが高いというか…。1回触れてもらえたら『演劇ってすごくいいんだな』と思えると思います」。生で見る演劇の良さを伝えたい気持ちが強い。

 俳優の道に進んだきっかけはスカウトだった。中学3年生の時、母と一緒に見に行った有名アーティストのコンサート会場で声を掛けられた。「これも記念だからと思って(オーディションを)受けたら、気づくと最終まで残っちゃって」。歌も踊り芝居も全くの未経験だったが、母の強力な後押しもあり、東京の高校へ進学した。その後、本格的に俳優業をスタートさせると、舞台、ドラマなどキャリアを重ね、2020年にダンスエンターテインメント集団「梅棒」に加入して活動をしている。

 スーパー戦隊シリーズ「手裏剣戦隊ニンニンジャー」(15~16年)のスターニンジャー/キンジ・タキガワ役で、憧れだったヒーローを演じた。「超楽しかったし、メッチャ全力でやっていました」。当時は街中で声を掛けられることも多く、イベントにも出演すると、子どもたちに夢を与えていることを実感した。

 「僕が子どもの時に思っていたみたいに、子どもたちがそういう目で見てくれているんだなと思うと…。『僕も大きくなったらなりたい』と言われると、『絶対になれるから頑張りや』というのは、すごく言っていました」。子ども好きであり、やりがいも大きかった。仮面ライダーシリーズ「仮面ライダージオウ」(19年)にも仮面ライダーシノビ/神蔵蓮太郎役でゲスト出演。「オファーを頂いたとき、秒で『出ます』と。まさかの2大ヒーローに変身できると思って」。少年のような笑みを浮かべた。

 俳優として壁にぶつかった時、ターニングポイントとなった作品が17年の「熱海殺人事件 NEW GENERATION」、「ぼくらが非情の大河をくだる時」の2つの舞台だった。「熱海―」では芝居、演じることに対しての楽しさが分かってきた。「自分が下手くそなのも含めて受け入れられるようになって、もっと頑張っていきたいと心から思うようになりました」。心境に変化が生まれた。「ぼくら―」では難解な作品の中で新しい感覚をつかんだ。「台本を初めて読んだとき、意味が分からなくて。お稽古して、本番で結構、変わったんですよね。舞台上で初めてトランス状態になったんですよ。途中の記憶がなかったとか」。初めての体験だった。

 これからも舞台、ドラマなどの映像と両方で活動していくつもりだ。「どちらも面白みがありますね。映像は自分の思っていた表情と違うなとか見ることはできるけど、舞台は演出家さんとか周りの人から『こう見えているよ』と言われないと、なかなか自分で分からなかったりするので。そこが面白いところの違いかなと個人的には思いますね」。どちらにも魅力を感じている。

 俳優として求められる人でありたい。「舞台でも映像でも役があって、『誰がいいかなあ?あっ、多和田だ!』みたいに、パッと思いつく個性的な俳優になりたいというか」。やりたいこともいっぱいだ。「特撮ヒーローものなら、もう少し年を取って深みが増したら敵役をやりたいですね。エンディングの振り付けもしてみたいです。ほかにも自分のおじいちゃんやおばあちゃん孝行を含めてですが、大河ドラマに出たいですね。もちろん、朝ドラも。具体的な目標が増えてきているんですよ」。貪欲に理想像を追い求めていく。

 ◆多和田任益(たわだ・ひでや)1993年11月5日生まれ、31歳。大阪府出身。ダンスエンターテインメント集団「梅棒」所属。舞台を中心に映画、ドラマなどで活躍中。

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