見えない脅威…ハバナ症候群 外国から攻撃の可能性「極めて低い」重度の症状は新兵器の恐れ「半々」米情報機関

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キューバ・ハバナの米大使館=2023年12月撮影(ロイター/Alexandre Meneghini)
キューバ・ハバナの米大使館=2023年12月撮影(ロイター/Alexandre Meneghini)

 「目に見えない脅威」とされ、世界のVIPを恐怖に陥れてきた謎の現象に、一つの考えが示された。各地で外交官を含む数百人の米国人やその家族が原因不明の体調不良に見舞われている「ハバナ症候群」。ある米国の情報機関が、この症候群について対立する外国勢力が原因である可能性は「極めて低い」との見解を改めて示した。報告書が10日に公表された。

 ただ、重度の頭痛、吐き気、記憶喪失、めまいを訴えた少数の米国人に対し、外国勢力が新型兵器を使用した可能性は「ほぼ半々」だという。米国家情報長官室(ODNI)の当局者は、評価に関与した情報機関を特定はしなかったが、7つの情報機関のうち、5機関は可能性がかなり低いと判断し、残りの2機関は外国からの攻撃の可能性もあるとの見方を示した。

 トランプ次期政権は、少数の米軍人がパルス電磁波や音響エネルギーにさらされたかどうかなど、現在行われている調査について報告を受ける予定だという。

 被害に遭った20人以上の米国人やその家族の代理人であるマーク・ザイド弁護士は今回の報告書について、情報機関の間で意見に相違があることを示していると指摘。原因は外国勢力にあるという「恥ずべき真実を隠し続けている」と述べた。ザイド弁護士は報告書全体の開示を求めて2月に訴訟を起こす予定だという。

 ハバナ症候群は2016年に、キューバの首都ハバナにある米国大使館職員によって初めて報告された。敵対する外国勢力または非国家の外国人攻撃者によって故意に引き起こされたのではないかとの疑惑が浮上したが、キューバは繰り返し関与を否定している。

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