韓国では14日午後4時より、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領への弾劾訴追案の再投票が行われ、可決された。これを控えた13日、韓国芸能界のスターたちの動向に注目が集まったと、複数の韓国メディアが報じた。
チェ・ミンシクは13日、釜山・海雲台(ヘウンデ)区にある映画の殿堂・小劇場で開催された「第25回 釜山映画評論家協会賞」授賞式に出席。2024年に公開され、1191万人を動員した映画「破墓(パミョ)」で、男性演技者賞の受賞者となった。ステージで受賞コメントをしたチェ・ミンシクは、12月3日夜に突然発令された、非常戒厳令がきっかけとなった弾劾要求集会に言及。「(非常戒厳令により)気持ちが、ものすごく地面に叩きつけられました。そんな挫折と苦しみの中で、多くの若い方たちが振っている応援棒(以下、ペンライト)は、『弾劾棒』と呼ばれているそうです。そのペンライトを見て、既成世代の人間の一人として、とても申し訳ないと思いました」と伝えた。
そして「こんなとんでもない世の中を、若い世代に再びこんな風に、見せることになってしまいました」「若い方たちが、冷たいアスファルトの上でペンライトを振っていて、外見上は笑顔で見ているコンサートのようですが、とても申し訳なと思います。この場を借りて、申し訳ないという言葉を伝えたいです」と言い、腰を90度折り曲げてあいさつし、集会に集まった人々へ力を与えた。
歌手で女優のIU(アイユー)も同日、弾劾要求集会に参加しているファンのために、パンやスープなどを準備。IUの所属事務所であるEDAMエンターテインメントは、公式ファンカフェ(事務所が承認しているコミュニティーサイト)を通して「寒い日に、I-KE(アイク/IUの公式ペンライト)を持って集会に参加し、周囲を明るく照らしているユエナ(ファン名称)たちの凍てついた手が、少しでも温かくなることを願い、食べ物とカイロを用意しました。健康と安全に必ずご留意いたただき、注意事項をご参考の上、該当店舗にお越しください」と告知した。
IUが準備した食べ物は、パン200個、飲み物200杯、お餅100個、クッパ200杯ほどで、所属事務所はこれを食べることができる汝矣島(ヨイド)内のパン屋と餅屋、クッパ店の名前と住所を共有している。
有名人だけでなく、今回の弾劾集会に参加できない人々は、集会参加者のために、温かいコーヒーや、キンパプ(のり巻き)などを先払いする動きが続いているという。
そして、少女時代のユリも前払いの動きに参加。ユリは、ファンコミュニティープラットフォームを通して「みんな、明日はキンパプを食べて腹ごしらえをしてね。安全と健康に気を付けて」とメッセージを送った。ユリは、集会会場からほど近い、唐山(タンサン)駅近くのキンパプ店へ、ファンのためにキンパプを前払いしたことを明かした。少女時代のペンライトが認証されると、キンパブを受け取ることができるという。
ユリは前日「寒い中、元気に過ごしていますか? ペンライトがとてもきれいで素敵だったよ」「『また巡り逢えた世界』が響き渡る光景も、すごくたくさん観ました。私も毎日、一緒に聞いているよ」というメッセージで、ファンを励ました。ユリが言及した「また巡り逢えた世界」は、少女時代のデビュー曲だ。同曲は最近、「2030世代女性」の声を代弁する曲と言われ、尹大統領弾劾集会で「MZの大合唱曲」として、再びスポットが当てられている。
尹大統領に対する、2回目の弾劾訴追案は国会本会議で採決され、可決された。現在国会周辺などでは、大規模集会が行われており、その数およそ100万人を優に超えているという。