昨年の「M-1グランプリ」王者、令和ロマンの髙比良くるまが8日、M-1と漫才についての考察本「漫才過剰考察」(辰巳出版)が同日に発売されたことを記念して、都内で取材会を開いた。
M-1が再開した2015年から2023年までを考察し、今年のM-1予想まで考え尽くした一冊。新型コロナウイルス流行などの時代背景や、東西での言葉の違いや南北の異なる環境が漫才に与える影響、昨今話題の「顔ファン論争」など、縦横無尽に分析を駆け巡らせた漫才論最新版。ウェブサイトでの連載をまとめたもので、大幅に加筆修正を行ったくるまは「賞味期限は2025年5月くらいまではもつ」と手応えを口にした。
「M-1の演出を任されるなら」と質問を受けると、現在の採点方式による審査の改革案を披露。最初は「蝶々がどっちに飛ぶかで決めた方が」と女芸人№1決定戦「THE W」の審査方法を挙げて笑いを起こしつつ「例えば点数じゃなくて(審査員が)自分の中の1回戦ベスト3を付けるんですよ。全部終わった後に『私のベスト3』をそれぞれが挙げて、平均順位が高い人が決勝に進出とか」と持論を展開。「ちょっとガチすぎますか」と恐縮しながらも、深いM-1愛を垣間見せた。
本の内容とも重なるがM-1について「芸人がモテたい、お金を稼ぎたいというよりも、優勝したい人が増えてきているのがピークに達した大会が昨年だった」と言及し「今年は僕らが優勝したのに出ることによって、皆さんどういう気持ちになるかというのを考えてみてほしい。(本に)書いてあるので、よろしくお願いします」とアピールした。連覇を目指す今年の大会。気になる出場者を質問されると「(キングオブコントとの)2冠を目指しているコロコロチキチキペッパーズはM-1を頑張っているのに注目度が低い。負けたら毎回悔しがっている生配信もしている。ぜひ見てほしい。コロチキさんには頑張ってほしい」と話していた。
同書には霜降り明星・粗品とのM-1王者対談が収録されている。くるまは「粗品さんがお笑いを語ってくれることってなかなかない。LINE一発でOKしてくれました」と経緯を明かし「(粗品に)対談のオファーはこれまであったようですけど先延ばしにしていたのを『くるまの本やったらいいよ』と言っていただいた。粗品さんは根っこが優しいんですよ。お話させていただいて嬉しかった。内容的には、粗品さんが珍しくお笑いの話をしてるのと、手の内の話をしているところ、いかに僕とは違うのか、というのを楽しんでいただけたら」と語っていた。