フジファブリックが2025年で活動休止 メンバー死去も乗り越え「守り抜く」信念あった「解散」は使わず

よろず~ニュース編集部 よろず~ニュース編集部
フジファブリックの山内総一郎=2023年6月撮影
フジファブリックの山内総一郎=2023年6月撮影

 人気ロックバンドのフジファブリックが3日、2025年2月で活動休止することを発表した。「フジファブリックから大切なお知らせ」と題して文書を掲載して報告した。

 文書はメンバーの山内総一郎、加藤慎一、金澤ダイスケの連名。「この度フジファブリックは、2025年2月をもちまして、活動を休止させていただく事となりました」と報告した。「今年2月にリリースされた12枚目のアルバム『PORTRAIT』を制作中の2023年、金澤ダイスケより、自分のすべてをこのアルバムに注ぎ込み、20周年イヤーを全力で駆け抜け、その後バンドを脱退したいとの申し入れがありました」ときっかけを説明。「メンバー、スタッフ間で何度も話し合いを行いましたが、この20年間でバンドに対してすべてを出し尽くしたという金澤の意思は固く、バンドとしての活動継続は困難という判断に至り活動休止という決断をしました」と経緯を明かした。

 また「2000年に志村正彦によって結成されたフジファブリックは2009年に大切な志村正彦を失いました。彼と共に歩んだ時間、共に育んだ思いや一緒に見た景色は、かけがえのない宝物だと思っています」と元メンバーの志村さんの急死についても触れた。「その思いをメンバー3人が胸に刻み、フジファブリックという大切な場所を音楽を作り続けながら守っていくという覚悟を持って2011年に活動継続を決め、多くの方々に支えられながらこれまで歩んで参りました」と遺志を継いでの活動だったことも伝えた。「これまでフジファブリックを守り抜くという使命を幾度となく自らに問い、『絶対に解散しないバンド』という信念を持って活動してきました。今回の決断でファンの皆さまに残念な思いをさせてしまう事を大変申し訳なく思っています。どうか受け止めていただきたいと思います」とファンに理解を求めた。

 今後については「メンバー3人それぞれが新たな道を進みます。その道がフジファブリックという場所に繋がっているのか、今後の活動の中で見つけられるかどうか、現時点では正直なところ分かりません。今は残されたLIVEの1本1本、1曲1曲に全身全霊を捧げていきたいと思います」とし、「フジファブリック」再開への道がわずかに残されていることも示唆した。「来年2月以降のメンバーの活動につきましては、現在のところ未定となりますが、新たな一歩を踏み出した際には、温かく見守っていただけますと幸いです」と締めた。

 フジファブリックは2000年に結成されたロックバンド。現メンバーはギター・ボーカルの山内総一郎、キーボードの金澤ダイスケ、ベースの加藤慎一。04年4月に志村さん、金澤、加藤、山内、とドラムの足立房文という5人編成で、シングル「桜の季節」でメジャーデビューした。06年3月に足立が脱退。09年12月に多くの楽曲の作詞作曲を務めていたギター・ボーカルの志村さんが亡くなり、一時活動停止。11年から現メンバー3人で活動を再開し、今年でメジャーデビュー20周年を迎えていた。

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