米国の歌手アリス・クーパー(76)が、1969年の平和と愛のフェスティバルで、観客がニワトリを殺した事件を振り返った。フェスティバルの最中、飛んで行くだろうと思い、アリスがニワトリを観客の中に投げ入れたところ、トロント大学内にある2万人収容のバーシティ・スタジアムで“悲劇”があったという。
先日放送されたドキュメンタリー番組『バイオグラフィー:アリス・クーパー』のエピソードの中で振り返った。「俺はデトロイト出身だ。生まれてから農場に行ったことなんか1度たりともなかった。そいつには羽があって、羽があるんだから飛ぶはずだったんだ。ニワトリを拾い上げて客席に放り投げたら、飛んでいって誰かがそれを受け取ってくれるだろうと思った。ニワトリを家に持って帰ってアリス・クーパーと名付けてくれるって思ってたんだ」
ニワトリは他の鳥のようにうまく飛べないという現実に直面したアリスは続けた。「投げ入れたら、そのまま観客席に落ちてしまった」「そしたら観客にバラバラに引き裂かれたよ。平和と愛のフェスティバルでだ。引き裂かれたニワトリがステージに投げ返された。あちこち血だらけだったよ。羽も血も…」
偶然にも、ザ・ビートルズの故ジョン・レノンと妻オノ・ヨーコがその場に居合わせ、このニワトリ騒動を「楽しんでいたようだ」と伝えられていたそうで、「カオスだったから、2人はアートだと思ったみたいだ」と語った。
また、蛇を首に巻いてパフォーマンスすることで有名なアリスがコンサートでニューヨークを訪れた際には、動物愛護活動家からの抗議に直面したほか、「ジャーマン・シェパードに火をつけた」という恐ろしいデマが流れたそうで、「俺の評判はめちゃくちゃだった。何もする必要はなかった。独自のアリス・クーパー神話をでっち上げていた」と続けた。