古くから漫画やアニメに登場し、多くの人々を魅了してきた「ロボット」。
鉄腕アトムのような自立型、ガンダムのような人が乗り込む機動兵器などさまざまな種類が存在するが、中でも人気なのが「パワードスーツ」だ。人間よりも一回り程度大きいサイズのロボットに人が乗り込み、アイアンマン、パワーローダーのように手足を直感的に動かして操作する。
今、そんなパワードスーツが現実のものになったと話題になっている。東京都八王子市の株式会社ロボットライドが製作する「スケルトニクス」がそれだ。
スケルトニクスは全長約3mの体躯のメカに乗り込み、装着者が手足を動かすことで操作するスーパーロボット。フレームが露出した機械的なデザインからアニメの主役機の様な外装まで多種多様な機体が存在し、動いてる姿を見ているだけでも心が踊る。
株式会社ロボットライドの代表、宮本さんに話を聞いた。
橋本:開発の経緯を教えてください。
宮本:スケルトニクスを発明した当社のエンジニアは、2008年の高専ロボコンで全国優勝した沖縄高専チームのメンバーです。ロボコンで開発したのはティラノサウルス型の二足歩行ロボットでしたが、その技術を転用すれば人間が大きくなるロボットが作れるのではないかと考え、開発を始めました。
よく何のために作ったのですか?と聞かれるのですが、いつも「作りたかったからです」と答えています(笑)。
橋本:エンジニアの鑑の様な回答ですね!ロボ好きに訴える外骨格ですが、何かモチーフはあったのでしょうか?
宮本:「人の動きを拡大する」というコンセプトで設計・開発した作品で、特にモチーフとした作品はありません。
メカニズムを理解している人がデザインすると、現実的なデザインになり、結果的に、エイリアン2やアバターなどの映画や、アップルシードや攻殻機動隊などの漫画に登場するロボットと似たデザインになりました。
橋本:実用性第一だと、デザインが似通ってしまうのですね。スケルトニクスは各種イベントに出動していますが、どんなイベントが多いですか?
宮本:スケルトニクスを操作すると、ロボット工学やモノ作りに対する関心が芽生えます。実際に、中学校の技術分野の教科書にも大きく掲載されています。そのため、単なる娯楽でなく、お子様の学びに繋がるイベントに参加させていただく事が多いです。
橋本:スケルトニクスを使用した「R-FIGHT」という新感覚スポーツがあるそうですね。
宮本:ロボットに乗るとなぜか戦いたくなるので、開発したスポーツです。プレイヤーはR-FIGHT用の機体を装着し、対戦相手と戦います。機体の顔、胴体、腕には圧力センサーが内蔵されており、パンチが相手にヒットすると、その情報がコンピューターに信号として送信され、パンチを当てて相手のヒットポイントをゼロにするか、ラウンド終了時に体力が多い方が勝者となります。
また、一定のダメージを受けると発動できる必殺技を駆使して戦うことができます。
さらに、観客がタブレットを使って攻撃力を上げたり、HPを回復する応援機能も実装されていて、プレイヤーと一緒にお楽しみいただく事ができます。
橋本:まさにガンダムファイトですね(笑)。
宮本:より面白くするために、機体の軽量化やXRを活用した演出、そしてそれを使った競技の開発を進めてまいります。八王子にあるスケルトニクス工場で開催している体験イベントや、国内最大級のデジタルアミューズメントパークRED° TOKYO TOWERで楽しむことができますので、ぜひ、遊びに来てください!
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宮本さん達のエンジニア魂の結晶とも言えるスケルトニクス。近い将来、街中を駆けまわる姿が当たり前の世の中になるかも知れない。
スケルトニクスは各種イベントへの出展ほか、工場見学や搭乗体験もおこなっている。気になる方は是非チェックしていただきたい。