目医者ばかりじゃないか つげ義春「ねじ式」名場面が超絶フィギュア化「“増築”を重ねました」

山本 鋼平 山本 鋼平
ワンフェス会場を飾ったオデさんのフィギュア「ねじ式」目医者ばかりではないか
ワンフェス会場を飾ったオデさんのフィギュア「ねじ式」目医者ばかりではないか

 日本マンガ史に残る傑作、つげ義春の「ねじ式」に登場した名シーンがフィギュア化された。世界最大級の造形・フィギュアの祭典「ワンダーフェスティバル(ワンフェス)2024冬」が11日、千葉・幕張メッセで開催され、造形作家のオデさんが新作「ねじ式-目医者ばかりじゃないか-」を出品。「ようやく形にできました。きょうは皆さんから温かい言葉をいただき、本当にうれしいです」と喜んだ。

 オデさんは20年程前、愛読する大友克洋作品に登場する「ねじ式」のキャラクターに関心を持ち、つげ義春作品に初めて触れ、その魅力に取りつかれた。22年2月の同イベントでは「ねじ式」の主人公を発表し、高い評判を集めた。今回は、その主人公が目医者の看板が並ぶ町を歩く場面を、ジオラマとともに立体化させた。

 オデさんは「当初はこれほどジオラマの数は多くなかったのですが、納得できなくて“増築”を重ねました」と、予定より半年かかった製作を振り返った。「特に彩色がキツかった。もはや『塗る』ではなく『描く』でした」と吐露。全高約245ミリ、奥行き280ミリ。看板や壁の木目まで、膨大な手間が施された。

 それでも「つげ先生、水木しげる先生の作品は作っていてとても楽しい。今回も本当に楽しかったです」と目を輝かせたオデさん。この日はもう一つの新作「鬼太郎大百科-鬼太郎の戦いのひみつ-」も発表。偉大な両漫画家への敬意を口にした

 今後は「つげ先生の作品では『ねじ式』のスパナを持ってあぐらをかくおじさん、『もっきり屋の少女』を居酒屋のジオラマとともにフィギュアにしたい。できる限り原作に忠実に再現したい」と語っていた。作品はワンフェスでの対面販売のみだが、今後も新作、過去作の出品は続いていく。

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