USJや西武園ゆうえんちをV字回復させた立役者・森岡毅氏が、ヴィーナスフォートを新たなエンターテインメント施設へと導く。
森岡氏率いるマーケティング会社・刀が5日、都内で「新エンターテイメント施設 開業発表会」を開き、2022年3月に閉園した東京・お台場のヴィーナスフォートに「イマーシブ・フォート東京」を2024年春にオープンすると発表した。同社代表取締役CEOの森岡毅氏をはじめ、シニア・クリエイティブ・ディレクターの津野庄一郎氏、同企画のプレジデントに就任した田村考氏が登壇し、詳細を明かした。
世界初*のイマーシブ(没入体験型)テーマパークが東京、お台場に誕生する。ヴィーナスフォートの内装をそのまま生かし、完全屋内型のテーマパークとして、12種類のアトラクションやグッズ販売、飲食店舗を展開する。同社によると、イマーシブシアターを中心とする複数のイマーシブ体験のみで構成されるテーマパークとして世界初だという。
施設に足を踏み入れた瞬間、来場者は物語の登場人物となり、ヨーロッパの世界観へ。予想もつかない演出と展開が体験できる。
森岡氏は「新しいテーマパークで、従来のものとは一線を画した、圧倒的ライブ感を伝えたい」と語る。そして「体験ではなく経験を。数万人もの来場者を誰一人、傍観者・第三者的立場にさせない。同じ場所にいながら、人の数だけ感じたものが違う、エキサイティングなものを提供したい」と力強く伝えた。
津野氏も「子ども時代に夢見ていた、物語の出演者になることができる」と自信を見せる。「今、イマーシブなエンターテイメントは世界が注目を集めているコンテンツのひとつ」だと説明しながら「しかし現在は、クリエーター視点で楽しめる〝わかる人だけわかる〟コンテンツが多いのも事実。チケットも高額ゆえ、誰でも楽しめるものではない。そこを打ち破り、一人でも多くの人が来場できるようにしたい」と語った。
現在、西武園ゆうえんちで実施中の「没入型ドラマティック・レストラン~豪華列車はミステリーを乗せて~」も同氏が手がけており、チケットが即日完売になるほど、超人気コンテンツだ。
田村氏は「革新的かつ濃密なコンテンツで、東京をイマーシブ・エンターテイメントのトップランナーへと躍進させたい」とし「『イマーシブ・フォート東京』を成功させ、今後も役目を終えたとされる建物をそのまま生かした、イマーシブ・エンターテイメントを展開していきたい」と世界を見据えた。
発表会後の質疑応答では、内容の全貌はまだ未公開だが、家族で楽しめるものから友人、恋人で楽しめるストーリーが用意されているといい、インバウンドに向けて他言語対応も準備していると説明。完全に没入してもらうため、場内の世界観は完璧なものに仕上げると力を込めた。また同所から日本ブランドを世界に発信する予定だとし、期待してほしいと自信を見せた。