朝倉未来プロデュースの美月 コンプレックス「受け入れて自信を持ちたい」初写真集で隠さず撮影

山本 鋼平 山本 鋼平
美月(撮影・伊藤笙子)
美月(撮影・伊藤笙子)

 格闘家、実業家の朝倉未来がプロデュースしたモデル、タレントの美月(23)が9月7日にファースト写真集「lxxe myself(ラブマイセルフ)」(宝島社)を発表した。一時離れた芸能活動を再開させて1年。節目の一冊には、生来のコンプレックスを個性として受け入れる決断を下していた。

 爽やかな白のTシャツにブルーのデニム姿。文字にすると何でもないカジュアルな装いを、美月は特別なもののように感じさせる。特徴的だった鮮やかな金髪を、今夏の初めに黒髪へと変えた。「気分転換です。写真集が出るまで金髪の方が良かったかもしれないけれど、我慢できなかった」と笑った。

 撮影は今年5月、主に山梨県で行われた。「出して良かった。買ってくれた方がDMで報告してくれたりして、これまで一方通行な発信が多かったように思うけど、こんなに応援してくれる人がいるんだ、と実感できました」と喜んだ。

 美月は昨年7月、朝倉のYouTubeチャンネルで公開された動画「高級車で見知らぬ人を無料タクシーしてみた」への出演が話題を集めた。インスタグラム開設から5日でフォロワー10万人を突破。バイクのツーリング中の転倒事故で骨折し、仕事先への負担を考えて所属していた事務所を辞め、新たな活動を模索していた時期だった。朝倉が展開するアパレルブランドのモデル、レディースデザイナーに就いた。これを機に、自身のYouTubeチャンネルを開設し、テレビ出演など芸能活動を再開させた。

 朝倉からは「元カノの写真を見返しているみたいな感覚」と感想を伝えられた。「写真集に詳しい方によると、元カノやカノジョ感というのがいい写真集の条件らしいので、それに当てはまっているのかな」と自信になった。「常に客観的で、冷静で、結構気を遣う人で、優しい」と、朝倉には信頼を寄せている。

 湖畔でのカットがお気に入りで、印象に残る撮影でもあった。「まだ寒かったので冷たい水との戦いでした。その冷たさが写真にも出ているように思うんです。私は冬が好き。冬の冷たい空気、青い空…その感じが出ているように思って、写真も好きですね」と語った。思慮深くクールな印象を与える美月の個性とも、合致しているようにも感じる。

 物事を冷静に見つめる視点は、内面だけではなく、外見も起因しているのだろうか。写真集の発売決定時のリリースでは「生まれつきあるコンプレックスもさらけ出すことを決意しました。今は個性として受け入れています」と記した。その真意を聞いた。

 「生まれつき背中に大きなアザがあるんですよ。写真集ではそんなに目立っていない、と言われるんですけどね。母からは二十歳になったら消えるよ、と言われてきたけれど…もうずっと消えないのかな。背中を出すのが嫌で、その必要もないと思っていた。けれど、私は海外の文化やファッションが好きで、いい意味で他人に関心がなくて、生まれ持ったものを受け入れて自信を持つ文化が好きだった」

 再出発の際はアザを外科処置で消す試みもあった。しかし、タトゥーとは違い、生来のものは施術の難易度、身体への負担がともに高いことが判明。「つらい思いをしてまで消す必要あるのかな。自分で受け入れたらいい、と考えたんです」と経緯を語った。

 自ら下した決断だからこそ、迷いはなくなった。今年最初に掲げた目標が「自己肯定感を上げる」だったことも重なって「lxxe myself(ラブマイセルフ)」というタイトルにつながった。前事務所では主に女優として活動したが、現在は高校時代に学んだデザインを生かして、自らモデルをも務めて、レディースアイテムの制作に関わる。

 「以前はやらされている感、自分が何をしたいのか分からない感じがありました。今はデザインのように得意なことをやっている。短所を直すよりも長所を伸ばしていきたい。自分を持って、自分から行動しないといけないから、自分自身のことを常に考えるようになりましたね。先のことしか見ていないので、人生が楽しいです」

 自由には責任が伴うというが、理屈ではなく実感として暮らしに反映されているようだ。デザイナー、モデルに軸を置きながら、現在は離れている女優業にも「求められれば」と意欲を抱く。内面の進化、外見のクールさが相乗効果を生み出した写真集。「私のことを知らない方が、ビジュアルから関心を持ってもらえたらありがたいですし、私がどんな人間かということにも興味を持ってもらえたらうれしい」と呼びかけた。

 新たな夢も膨らむ。「今の機会を最大限に生かして、デザイナーの仕事を頑張りたい。その中で美容系のお仕事にも挑戦したいです。私は常に発展途上でいたいし、進化を続けたい」。そう言って、表情を引き締めた美月。そしてすぐに「あと、黒髪でも写真集が出せたらいいな」と言って、いたずらっぽい笑みを浮かべた。

  ◆美月(みづき) 2000年4月18日生まれ、兵庫県宍粟市出身。少女時代に空手を6年習い、中学ではバスケ部。高校入学後は同級生の女子6人でマネジャーとして柔道部に入るも、選手は2人だけだった。高校在籍中にオーディションに合格し芸能活動を開始。卒業後に上京し、活動を本格化させた。その後、朝倉未来YouTubeチャンネルの高級車タクシー企画でそのポテンシャルを評価され、アパレルブランドMATINAVENIR(マタンアヴニール)のモデル兼レディースデザイナーに就任。趣味はバイク、ダーツ。

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