ヘンリー王子のビザ申請書類の公開を米政府が阻止した。米シンクタンクのヘリテージ・ファウンデーションが、ヘンリー王子のコカイン、マリファナ、マジックマッシュルームといった過去のドラッグ使用が申請書類に記載されているかを公表するよう政府に求めていたが、要求を退けるとする国土安全保障省(DHS)からの書簡を公開した。
その書簡には「個人のプライバシーに関する懸念を覆すのに十分なほどの公開に対する世間の関心がない」と説明されている。
同団体のマーガレット・サッチャー・センター・フォー・フリーダムのディレクターでナイル・ガーディナー氏は、今回の対応は「バイデン政権の透明性の酷い欠如を示している」と非難、記録が公開されるまで闘い続ける意向を明らかにした。今後はワシントンD.C.の連邦裁判所に戻り裁判が続けられることとなる。
回顧録『スペア』の中で王子は、コカインや大麻の使用、さらに2016年には『フレンズ』で知られる女優コートニー・コックスが開いたパーティーでマジックマッシュルーム入りのチョコレートを食べたことを告白していた。これを受けヘリテージ・ファウンデーションは、情報公開法のもと、ヘンリー王子のビザ申請書類を公開するよう米政府に求めてきた。
米国でビザを申請する際、ドラッグ使用経験について明らかにすることが求められており、入国管理法では、「ドラッグ乱用者」は「許容できない」とされているものの、入国管理官は個別で判断を下すことが許されている。
同団体は、こう声明を発表していた。「アメリカの人々は、証拠により明るみにでた深刻な疑問に対する答えを得るに値します。国土安全保障省(DHS)は、実際に、目をつぶったり、えこひいきをしたり、ヘンリー王子が虚偽の記載をした可能性があることに適切に対応しなかったりしたのでしょうか?」
2020年3月に妻メーガン妃と共に英王室を離脱しロサンゼルスに移住したヘンリー王子が入国書類の中でドラッグ使用に関して虚偽の記述をしていたと判断が下された場合、国外退去やビザ失効を言い渡される可能性があるという。