元ビートルズのジョン・レノンさんが、フランキー・ヴァリのコンサートで卑猥な言葉をまくし立て追い出されたことがあるという。1970年半ばに妻オノ・ヨーコと一時的に別居した「失われた週末」時代のことで、ジョンさんと同コンサートに行った元アップル・レコードのボス、トニー・キングがガーディアン紙のインタビューで当時を振り返っている。
フォー・シーズンズのフロントマンとして知られたフランキーのコンサートで、「お前の性器を見せやがれ」と叫び始めたジョンさんを会場から連れ出さなければならなかったと話したトニー、他にもデヴィッド・ボウイさんと一緒にコカインを吸っていたジョンさんをトイレの個室から出したエピソードも明かした。
一方でジョンさんと初めて会うためロサンゼルスに向かうまでは緊張していたものの、いざ仕事を一緒にしてみると素晴らしい経験だったと続けていた。「1960年代にジョンを知り、その頃の彼は本当に尖っていたんだ。私は彼に怯えていたよ。辛辣なリバプールの人間と会うためにLAに行ったわけだけど、実際に会うと、本当に穏やかで、傷つきやすい人間がいた。信じられなかったね」
今回、アンディ・ウォーホルのマリリン・モンローのプリントが飾ってあるロンドンの自宅でインタビューを受けたトニー、そのプリントの裏には「トニーへ愛を込めて。君の問題児の1人より。ジョン」と綴られている。同作品は当時、音楽プロデューサーのフィル・スペクターとの口論後、お酒を飲みながら怒り心頭だったジョンさんからもらったプレゼントで、ジョンさんは滞在していた家に戻り、中のものを破壊したそうだ。壊された窓やレコードを発見したトニーは、ヤシの木を根こそぎにしようとしていたジョンさんを取り押さえたことを回想していた。
更に仕事のミーティングを始める前にヨーコからマジックマッシュルームを勧められたことをトニーは明かしてもいた。「ランチの途中で飛んだんだ。私は飛行機に乗っていた。ヨーコがテーブルに寄り添ってきて、『これ(マジックマッシュルーム)いいわよ』って囁いてきたんだ」