【漫画】漫画アシスタントのリアルな実態 厳しく、情けなく、面白い!17年間務めた作家が描き出す

橋本 未来 橋本 未来

 SNS発の新人漫画家が次々と登場する一方で、今も新人漫画家の修業の場として根強く残っているのが、漫画家のアシスタント。特殊な職業である分、どうやったらなれるのか、どんな仕事をするのかなど、その全貌を知る者は少ない。そんな謎に包まれた“漫画家アシスタント”を17年間も務め、その経験を赤裸々に描いた作品が一部のSNSで強い支持を集めている。

 

 作者は、漫画家のハルマキさん(@harumakimanga)。自身を投影させたカワウソのキャラクター“ハルマキ”を主人公に、楽しいばかりではないアシスタントのリアルな実態を含め、新人漫画家の甘酸っぱい思い出をコミカルに描いていく。今回は、作者であるハルマキさんにメールで取材を行い、自身の経験を漫画にするきっかけや、伝えたい思いについて話を聞いた。

自虐な笑いと共感が大切に

 とある漫画家のアシスタントを17年間も務めていたハルマキさんは、漫画家としての実力も確かだ。週刊ビッグコミックスピリッツ月例賞の奨励賞と佳作、少年サンデー月例賞の佳作、週刊モーニング月例賞の努力賞などを獲得した輝かしい成績を残している。
 


 そんなハルマキさんが、こうした作品を描こうと思ったのは、自分にしか描けない作品を追求した結果であった。「エッセイ漫画を描こうとしたとき、他の人と違うものが描けるとしたら自分に何があるかと考えた結果ですね。あと、アシスタントの世界ってどんなの? 知りたいってまわりの人に言われたことも理由のひとつです」。
 
 こうして生まれた作品は、時に業界の厳しさを描きながらも、随所に自身の失敗談も取り入れる、情報と笑いのバランスが絶妙な仕上がりとなっている。ハルマキさんは言う。「アシスタント漫画においては、その世界の少しためになる情報も笑いと共に入れつつです。過去の情け無い話も多いので、『ダメだなぁコイツ! でも分からんでも無いわ』と思って、楽しんでもらえる共感性と自虐を大事にしています。だから、『笑いました』っていう感想が多いですね」。
 
 自分にしか描くことができない作品をめざし、辿り着いた漫画アシスタント漫画という境地。今後の展開についても、その軸にこだわり続けたいとハルマキさんは言う。「今度は高校生からスタートして、どのように漫画アシスタントになったかを自分のエピソードを描きつつ、『この仕事って実はこんな仕事なんだよ』っていう笑いを入れた、気軽に読める話を描いていけたらなぁって思っています。色んな仕事場があるので、あくまで僕の一例ですが(笑)」。類似する作品がそれほど多くないこのジャンルにおいて、ハルマキさんの作品が金字塔を打ち立てることができるのか。期待していきたい。
 
 
◆ハルマキさんInformation
 
▶Twitter /
https://onl.bz/CEFBE9X
 
▶エンタメブログ『もみあげカワウソのマンガな話』
https://onl.bz/tzHGdFW

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