【漫画】思わず「あるある」のネガティブエピに共感の声 “ほっこり毒”が魅力の『暗森さんの日常』

橋本 未来 橋本 未来

 コンプライアンスの強化により、さまざまな表現が“やさしいもの”や“健全なもの”に移り変わっていく今。表現の幅が狭くなるこの状況に困惑しているクリエイターたちと一線を画し、うまく時代に調和した作風で話題を集めているのが、漫画家のなるあすくさん(@naruasuku)。だ。

 その作風は、これまでに発表した漫画作品を辿るだけで一目瞭然。武蔵村山市を題材にしたラブコメ『武蔵くんと村山さんは付き合ってみた。』やOLがベランダでキャンプを楽しむ『ベランピング!〜ベランダでキャンプをしてみた〜』(共に、GANMA!にて掲載)など、ほっこりとした誰も傷つけない魅力を感じていただけるだろう。 

 今回、そうした魅力を持つなるあすくさんにメールにて取材を敢行!健全化していく時代の中で、“ほっこりとした毒”を放つ作品『暗森さんの日常』の創作秘話と共に、その作品も紹介する。

「嫌なことばかりじゃない」というメッセージ

 誰にでも一度は経験がある、ちょっとした不運や気恥ずかしい場面に遭遇してしまう女性、暗森さんの日々を描いた作品『暗森さんの日常』。この作品はどのようなきっかけで生まれたのだろうか。

 

 「もともとは別作品の脇役で出そうと考えていたキャラクターでした。本当は主役にしたかったのですが、当時の編集さんから許可が下りずに、出そうとしていた作品も終わってしまい……。個人的にも気に入っていたので、『暗森さんの日常』という形で発表させていただきました」

 

 作品に登場するのは、思わず「あるある!」と声に出してしまうネガティブエピソードが中心。心が落ち込んでいるときに読むのは危険な作品かと思われそうだが、「なんか救われた!」「元気になった!」という声が相次いでいる。この点について、なるあすくさんは次のように回答してくれた。

 

 「嫌なことであったりうまくいかないことがあったとしても、世の中そんなことばかりじゃないと。自分の実体験などを交えつつ、暗森さんで表現できたらと思って描かせていただいています。あと、なるべく身近な題材で、読んだ方全員でなくとも一部の方に『あ~わかるかも』と思っていただけるような場面を入れるようにしています。読んだ後、どこかホッコリしてもらえるようなところを、ときどき感じ取ってもらえたら嬉しいですね」

 

 今後の展開については、ちょっと楽しみな企画を実施したいという。「今後の目標は、『暗森さん〜』をもっと多くの方に知っていただいて、いつか動く暗森さん(アニメ化など)なども観ていただければ嬉しいと思っています。また、暗森さんのような日常ものを、今度は4コマやショートギャグ、1ページ漫画のような作品にしていきたいです」。何かと周囲への気遣いに疲れてしまう今こそ、もっと読まれるべき作品なのかもしれない。

■■なるあすくさんの情報
▶pixiv
http://pixiv.net/users/740080
 
 
▶グッズ
http://naruasuku.booth.pm
 
 
▶『暗森さんの日常』Kindle版 購入ページ
https://onl.la/d1CmgJQ

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