1985年から88年にかけて公開され、当時の中高生らに支持された映画「ビー・バップ・ハイスクール」シリーズにオマージュをささげた新作映画「ビーバップのおっさん」(旭正嗣監督)が24日から全国順次公開される。ヤンチャな男子高校生たちと同世代の女性キャラクターたちも印象を残した元祖シリーズに対し、本作ではそのジュニア世代として21世紀生まれのヒロインが登場する。主人公の娘役を好演した19歳の園田あいかが、よろずニュースの取材に対し、同作への思いや今後の夢などを語った。
5歳から地元熊本で芸能活動を始め、14歳で上京。今年4月から朝の情報番組「ZIP(ジップ)!」(日本テレビ系)にレギュラー出演中だ。また、昨年劇場公開された映画「SMILE」で初主演を務め、スペインのバルセロナ国際映画祭で最優秀若手女優賞を受賞するなど、海外でも評価されている。「ビーバップのおっさん」では「ヒロシ」役の清水宏次朗と共にダブル主演となる白井光浩が演じる「テル」の娘・美穂役。幼い頃に両親が離婚し、母に連れられて家を出たという設定だ。成長して偶然に父と再会し、心を通わせていく過程を好演している。
「ビーバップの女たち」という視点でいうと、元祖シリーズでは1、2作に出演した中山美穂がマドンナ的な役で、全6作に出演した宮崎ますみ(現・萬純)が演じた「三原山順子」は〝侠気〟のあるスケバンキャラで作品を支えた。いずれも、同じ高校生という立場だったが、今回の園田は大人になった当時の少年たちの娘世代ということになる。
昭和末期の元祖シリーズについて、2002年生まれの園田は「ほんとに知らなくて、『ビー・バップ・ハイスクール』の1作目をネットフリックスで見ました。昔、こんな一世風靡(ふうび)した作品があって、そのシリーズにオマージュを捧げている映画ということなので、絶対に面白くなると思いました。こうした作品に関われてうれしいです」と語る。
説明的なセリフではなく、視線や表情で父への思いを表現。園田は「白井さんはファンキーでかっこいいお父さんだと思います。『私(が娘)だよ』と言いたい気持ちもありつつ、母の気持ちも考えて、それを言ってもいいのか…というところもあって。最後のシーンは自分でも一番見たいです」という。その白井も「ものすごく芝居が上手な子で、最後のシーンも園田さんのお芝居からいただいたものを私がアウトプットした感じになった」と共演を振り返った。また、杉本愛里が演じる「順子」という娘との友情も描かれる。園田は「私の演じた美穂は素直で清純で、順子ちゃんも人の気持ちが分かり、親身になって人の話を聞いてくれる役柄です」と説明した。
10代最後の夏に思う。
「10代は当たって砕けろ精神で、歌やダンスにお芝居やMC、リポーターなどいろんなお仕事をした上で、20代は役者をメインにしていきたい。ちょっと悪な役、アクションのある役、背中に傷を負って何かを抱えている人の役など、カメレオン的に活動していきたい。一方で、『ZIP!』のリポーターも役者とつながっているなと思っていて、商品の魅力を伝える時も、言葉や表情で内に秘めた思いを表現することが役者に通じる。食べ物の紹介で、食感や臭いはテレビの前の人は分からない。芝居も自分の中で『こういう役を演じている』と思っていても、それを表現しなければ見る人に伝わらないのは一緒だなと感じます」
海外の映画祭でも注目された。「英語と韓国語を勉強しています。ネット配信などの海外の作品に出たいです。昨年からネットフリックスで配信されている韓国のテレビドラマ『マイネーム 偽りと復讐』が大好きで、愛里ちゃんとは、その作品に出ているハン・ソヒさんという女優が好きというのも一緒で、私もハン・ソヒさんみたいになりたい」と国際的な活躍を夢見る。一方で故郷愛も強い。「熊本は水もご飯もおいしくて、自然もすごい。阿蘇は最高です!月に1度、おばあちゃんに会いに帰省するんですけど、その度に熊本でお仕事できたら幸せだなって」という。
改めて新作について「アクション、家族愛や友情、笑い、感動ありと、全ての要素が混ざっている面白い作品で、どの世代の人が見ても楽しめると思います」とアピールした園田。9月3日で20歳になる。「ドラえもんの誕生日(2112年9月3日という設定)と同じなんですよ!それで、私、『ソノえもん』って呼ばれてました。『もん』って、熊本弁の語尾に付けるし、『くまもん』の『もん』でもある。すごくないですか!」と屈託のない笑顔を見せた。