藤井五冠、王位戦第1局で豊島九段に完敗 一方的に押し切られ、また黒星スタート 2日制では1年ぶり敗戦

よろず~ニュース編集部 よろず~ニュース編集部
完敗を喫した藤井聡太王位(提供・日本将棋連盟)
完敗を喫した藤井聡太王位(提供・日本将棋連盟)

 藤井聡太王位(竜王、棋聖、王将、叡王との五冠)に豊島将之九段が挑戦する、将棋のお~いお茶杯第63期王位戦七番勝負第1局2日目が29日、愛知県犬山市の「ホテルインディゴ犬山有楽苑」で指され、121手で豊島九段が勝利。藤井王位にとっては、現在進行中の棋聖戦に続いて第1局を落とし、手痛いスタートとなった。

 豊島九段の先手で始まった今局は、角換わり腰掛け銀に。1日目に78手まで進み、早々と駒がぶつかり合うハイペースの戦いとなった。藤井王位は1日目で早くも8時間の持ち時間のうち5時間以上を消費。2日目の昼食休憩以降は豊島九段に形勢が傾くと、最後まで差は詰まらないまま。豊島九段は持ち時間を1時間30分以上残す余裕の指し回しで、午後6時前に投了という、藤井王位にとっては文字通りの完敗となってしまった。

 めったに見られないほど、一方的に押し切られた藤井王位は局後「やってみようかなと思っていた作戦でした」としつつ、「かなり自玉が薄い展開を強いられるので、そのあたりのまとめ方が難しいのかなと思って指していました」1日目午後に自陣に飛車を成り込まれてからの対応を反省した。また、全体を振り返り「攻め込まれてかなり怖い展開が続いていた」とし、封じ手直前の局面を挙げ「そこから形勢を損ねてしまったのが反省点かなと思います」と悔やんだ。

 藤井王位は、対豊島戦は昨年の王位戦第5局以降は7連勝していたが、11月のJT杯決勝で敗れており、これで2連敗。2日制のタイトル戦では、昨年の王位戦第1局で豊島九段に敗れて以来、1年ぶりの敗戦となった。永瀬拓矢王座の挑戦を受けている棋聖戦に続いて、苦しい出だしに。それでも、昨年の王位戦でも第1局を落としながら、その後4連勝で防衛しており、その再現にも期待が掛かる。まずは7月13、14日に北海道札幌市で指される第2局に向け「先後決まってる形なので、しっかり準備して望みたいと思います」と静かに闘志を燃やした。

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース