藤井棋聖、永瀬王座にリベンジの勝利 一瞬の隙を突く絶妙手順の〝返し技〟で逆転 棋聖戦第2局

よろず~ニュース編集部 よろず~ニュース編集部
鮮やかな指し回しで勝利した藤井聡太棋聖(提供・日本将棋連盟)
鮮やかな指し回しで勝利した藤井聡太棋聖(提供・日本将棋連盟)

 将棋の藤井聡太棋聖(竜王、王位、叡王、王将との五冠)に永瀬拓矢王座が挑戦するヒューリック杯棋聖戦五番勝負第2局が15日、新潟市の「高志の宿 高島屋」で指され、138手で後手番の藤井棋聖が勝利。対戦成績を1勝1敗の五分とし、対永瀬王座戦の連敗も「3」で止めた。

 第1局は20年ぶりにタイトル戦の1局で千日手が2回成立する大熱戦の末、永瀬王座に屈した藤井棋聖。連敗すると一気にカド番に追い込まれる今局は後手番で迎え、戦型は角換わりとなった。

 中盤からAIの評価値が常に揺れ動き、第1局に続いて形勢不明の大熱戦。藤井棋聖は持ち時間の半分以上を中盤までに使い果たし、永瀬王座と大きな差がつく局面もあった。

 終盤、永瀬王座が金を打って王手飛車取りをかけた場面で、藤井棋聖はためらわず玉を逃がした。そこで永瀬王座が飛車を取ったが、その瞬間に永瀬玉に迫る敵陣への銀打ち。解説陣も予想できなかった強烈な〝返し技〟を食らわせ、一気に勝勢となると、最後はそのまま押し切った。

 局後、藤井棋聖は「仕掛けていったんですけど、受けられてちょっと思わしい攻め方が分からなかった」と回顧。「形勢を損ねてしまって、終盤はずっと苦しいのかなと思っていた」と、苦戦を意識していたことを明かした。〝逆転の妙手順〟となった王手飛車取りからの銀打ちの局面については「ちょっと時間がなかったので、本譜は勝負手のつもりでやった」と、狙いの一手であったことも説明した。

 激戦を終え、藤井棋聖は「ここまで2局、内容的にはかなり押されてしまっていると思うので、第3局以降は内容を良くして戦えるようにしたいと思います」と反省のコメントを残した。藤井棋聖は昨年8月の王位戦第5局からタイトル戦の番勝負で羽生善治九段と並ぶ歴代2位タイの13連勝をマークしていたが、棋聖戦第1局で永瀬王座に敗れてストップしていた。今局の勝利が、再び連勝街道を突き進む〝リスタート〟となるか、注目される

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