ゾンビ映画の友松直之監督が異色シナリオ教室「ワイドショーに違和感を持つ方に」

山本 鋼平 山本 鋼平

 大槻ケンヂ原作の「STACY(ステーシー)」、「ゾンビ自衛隊」「レイプゾンビ」シリーズの監督を務め、オリジナルビデオ「ミナミの帝王」シリーズ、「飛べ!ダコタ」(監督:油谷誠至)、「何処へ 満ソ国境十五歳の夏」(監督:松島哲也)では脚本を担当した友松直之氏(55)が、4月からシナリオ教室を開講する。

 漫画家・内田春菊の作画アシスタントを経て、1992年の自主映画「夏色浪漫」がTUTAYAインディーズフェスティバル佳作に入選。翌年の「バラードに抱かれて」で商業監督デビューを果たして以降、一般映画からピンク映画まで幅広い作品を残してきた。友松氏は「表現者は常識の枠組みを広げる使命があると考えています。例えば〝泥棒は悪いこと〟という考えからは『ルパン三世』は生まれません。息苦しい世の中ですがフィクションだからこそできることがあると信じています」と語った。

 作家の切通理作氏の初監督作品「青春夜話」(2017年)で製作総指揮を務めたことが縁で、2020年に切通氏が営む東京・阿佐ヶ谷のネオ書房でシナリオ教室を初開催。10人に満たない受講者が1本の作品を完成させることを目指したが「実践講座ということで、オレならこうするぞ、と自分の意見を伝えてきました。今思えば受講者に負担をかけていたのかもしれません。1本の作品も完成させることができませんでした。今回は前回の経験を生かして、敷居を低く、門戸を広げたいと思います」と苦笑いした。2年ぶりの講座では、過去の作品を鑑賞し、当時のエピソードやテクニックを語るライブ形式にし、作家志望者には実践的な添削指導を行うようにする。

 ヒットしたドラマや映画を手がけた脚本家とは、趣が異なるシナリオ教室。「売れるためのテクニックも引き出しにはありますが、一人一人の〝表現したいこと〟を大切にしたい。常識や良識にはとらわれたくありません。ワイドショーを見て違和感を持つ方に来ていただきたい」と呼び掛けた。シナリオ講座の詳細は友松氏、もしくはネオ書房のSNSまで。

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