歌手で俳優の中条きよしが今年のクリスマスイブにディナーショーを都内で開催する。中条は、よろずニュースの取材に対し、76歳となる来年3月の誕生日に向けて「新しいことをやる」と宣言し、自身のアイデアを取り入れたゴルフのアイアンを年明けにも発売予定だ。阪神時代から親交があるプロ野球・日本ハムの新庄剛志ビッグボスの新たな門出にも刺激を受けながら、新展開を期している。
昨年からのコロナ禍で音楽や演劇などの公演が中止に追い込まれるケースが続いてきた。中条も例外ではなかったが、入場制限などの対策をしながら、これまで岡山や東京・浅草などでディナーショーを行ってきた。12月は11日の青森・五所川原に続き、24日に目黒「雅叙園」で「クリスマスディナーショー」と題して開催する。
高波晃の芸名で1968年にデビュー。渥美健(71年)を経て、中条きよしに改名した74年に「うそ」が大ヒットして人気歌手となった。53年間の歌手生活の中、数多く行ってきたディナーショーだが、コンサートとの違いはどのような点にあるのだろうか。
「コンサートは2時間で20数曲も歌って、合間に着物で立ち回り、殺陣をやったり、かっちり構成されているから、話がくだけられない。その点、ディナーショーは1時間から1時間10分ほどで、少しお酒も入って、こちらもバカなことも言いながら、お客さんにいじられて、お客さんも歌い手の近くで拍手できて…。そんなラフなところがあって楽しい。持ち歌だけでなく、僕が歌わないと思われる曲、例えば玉置浩二さんの『メロディー』、淡谷のり子先生の『別れのブルース』や美空ひばりさんの『悲しい酒』」など、ギタリストに弾いてもらってカバー曲として歌ったりします」
そんなディナーショーでの楽しみの一つが、旅先の出会い。現役引退後の新庄と札幌で食事を共にしたこともあった。時は流れ、日本ハムの監督として新たなスタートを切った盟友について、中条は「ワクワクするね。大リーグのメッツに行く時には、その前に一緒に飲んだりしていたんですよ」と後押ししたことを明かし、「ビッグボス」としての規格外のファッションや言動についても「いいんじゃないですか。プロ野球も、お客さんが入らないとね」と評価した。
自身について、中条は「年齢とか、『節目』や『第2の人生』という考えは自分にはない」と自然体。「今できることをやる。こちらから取りに行かなくても、誰かが持ってきてくれることもある。昨年も、知り合いでもなかった方からお話をいただいて、岡山のホテルでディナーショーが実現した。ツキや運も大事にしたい」と語る。
とはいえ、年齢に伴う体力の衰えは必然だ。「確かに、骨が痛くなったり、寒さがこたえたり、年を感じたりするけど、これも人生かなと。歩いたり、ストレッチしたり、ゴルフとか、運動は疲れない程度に続けています」。そのゴルフで楽しみにしていることがある。
「僕のアイデアを採用して、ゴルフ用品の会社がアイアンを作ってくれた。『喝采を浴びる』ということで『CASSAI(カッサイ)8』という名前になります。来年1月か2月には発売予定で、楽しみです」
まずは年末のディナーショーに全力投球。来年はオリジナルのアイアンを手にコースを回る。中条は「76歳になる前に新しいことをやりますよ。期待してください」と声を弾ませた。