作家で僧侶の瀬戸内寂聴（せとうち・じゃくちょう）さんが９日、心不全のため京都市内の病院で死去した。９９歳。徳島県出身。葬儀は近親者で行い、後日にお別れの会を開く予定。
東京女子大学在学中に結婚し、夫の赴任地である中国に同行した。離婚を機に小説を書き始め、「夏の終り」で１９６３年に第２回女流文学賞を受賞。波瀾万丈な恋愛でも知られ、自身の経験などをベースとした小説を次々と執筆し、作家としての地位を確立した。
７３年、岩手県の中尊寺で得度し、「寂聴」を法名に。その後、本名も晴美から寂聴とした。７９年京都・嵯峨野に寂庵を構えた。２００６年には文化勲章を受賞。講演などを通じた幅広い活動でも知られ、悩みを抱える多くの人を励ました。
