藤井三冠〝鬼門〟の棋王戦決勝Tで斎藤八段に敗れ「年度内六冠」消滅 三冠初対局を飾れず

よろず~ニュース編集部 よろず~ニュース編集部
藤井聡太三冠
藤井聡太三冠

 将棋の藤井聡太三冠が17日、大阪・関西将棋会館で指された第47期棋王戦挑戦者決定トーナメント3回戦で斎藤慎太郎八段と対戦し、109手で敗戦。三冠達成後初の対局で敗れて今年度の棋王戦挑戦がなくなり、「年度内六冠」の可能性も消滅した。

 今局は振り駒の結果、斎藤八段の先手となり、戦型は角換わりに。両者の対局では5戦連続だが、藤井三冠は直近6局がすべて相掛かりとなっており、7局ぶりの角換わりとなった。

 昼食休憩後は藤井三冠の長考が目立ち、消費時間に大きな差が生じるとともに、形勢は徐々に斎藤八段優勢に傾きはじめた。藤井三冠も粘り強く逆転を狙ったが、こちらも終盤力に定評のある斎藤八段が最後まで安定した指し回しで押し切った。

 斎藤八段は2018年の第67期王座戦で藤井三冠らを破って挑戦権を獲得し、五番勝負で中村太地王座からフルセットの末王座を獲得。昨年度は順位戦A級昇級1年目で名人戦挑戦を果たすなど、若き実力派として名を馳せる存在。藤井三冠はこれで、対斎藤八段は4勝3敗。初手合いから連敗後4連勝していたが、ストップした。

 前回は6月26日に叡王戦本戦トーナメント決勝で対戦し、今局と同じ後手番の角換わりで勝利。豊島叡王への挑戦権を獲得すると、五番勝負を3勝2敗で制し、史上最年少&初の10代三冠を達成していた。今局は、13日の叡王戦第5局で三冠を達成してから、中3日での初対局として注目されたが、無念の敗戦となった。

 また棋王戦はこれまで、初参加の第43期から2年連続で決勝トーナメント1回戦敗退で、続く2年は連続で予選敗退。今季は初めて決勝トーナメント初戦を突破したものの、挑戦争いにからむことはできず、驚異的な勝率で突き進む藤井三冠にとっては〝鬼門〟とも言える棋戦となってしまった。

 敗れた藤井三冠は局後「ちょっと途中長考したんですけど、そこで間違えてしまって、途中からはずっと苦しかったです」と回顧。棋王戦で好成績がのこせていないことについては「本局に関してはあまり…。そうですね、ちょっと、チャンスが作れなかったなと思うので、実力をつけてまた来期に臨みたいです」と淡々と答えた。

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